ビリー・ジョエルが語る、70歳を迎える心境と最近のあれこれ

5月9日に70歳の誕生日を迎える、ビリー・ジョエル(Jesse Dittmar)

本日5月9日は、ビリー・ジョエルの70歳の誕生日だ。70歳になる心境、ドナルド・トランプについて、自分のためだけに音楽作りする現在をローリングストーン誌に語ってくれた。また、「キャプテン・ジャック」は二度と演奏したくないこと、新曲発表も盟友・エルトン・ジョンとの再共演も可能性はあるかもしれないと同誌に打ち明けてくれた。

ビリー・ジョエルは1993年以降、ポップ曲の新作は1枚もリリースしていないが、それでも過去5年間継続している毎月のマディソン・スクエア・ガーデン公演は毎回ソールドアウトし、毎年夏に行われる米国内の野球場コンサートもソールドアウトになる。「ステージで観客に『新しい曲は一つもないから、昔の曲ばかりプレイするよ』と言うんだ」と、フロリダ州パームビーチの自宅にいるビリー・ジョエルが受話器の向こう側で言う。「そうすると、観客は『イェーイ!』って応える。スタジアムにいる3万人、4万人、5万人の観客を前に、ピアノに向かって演奏しながら『この人たちは一体ここで何をしているんだ? なぜ今なんだ?』と考えてしまうよ。ある意味で、自分は過去の遺物みたいなものだろうね。自分に残されたものは多くないって。そこに希少性が生まれて、それが価値になっているのかも」と。

―誕生日の5月9日にマディソン・スクエア・ガーデンで行うコンサートを楽しみにしていますか?

それについては複雑な心境だ。まだ生きていることが嬉しいと思う反面、自分は70歳まで生き永らえたことを祝うほどの人間なのか?とも思ってしまう。つまり、その夜は仕事なわけで、誕生日ケーキも食べられないし、そもそも誕生日を祝うこと自体が無理だから。



―それでも、70歳は人生の節目ですよ。

この仕事はピーターパン的だ。若い時期にこの仕事を始めるから思う存分ロックもロールもできる。そして、仕事としてその状態を一生続けるわけだ。そのせいで自分の実年齢をあまり考えないようになる。最近ガーデンで撮影した自分の写真を見たときに、「これは俺じゃない」と思った。老けて見えるし、髪の毛も薄くなっている。まあ、もともと二枚目じゃなかったけど、今でもステージでやっていることは16歳のときと変わらないせいだよ。

―あなたと同年代の人たちは、白髪染めなどで若く見せる努力をしている人が多いのですが、自分もやってみようと思ったことはありますか?

私が映画スターたちのように若作りするのはお笑い草だよ。だって昔から人並み程度のルックスだし、自分の見た目を変える気もない。美容整形とか、カツラとか、よくわからないよ。そういうものって音楽とは全く関係ないだろう。イメージと見た目ってだけ。今年70歳で、これまで自分の年齢をまったく隠してこなかったのに、今更若作りする必要はないよ。

Translated by Miki Nakayama

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