ウッドストック50周年記念フェス、制作パートナーも撤退で開催は壊滅的

ウッドストック50の主催者のマイケル・ラング( Evan Agostini/Invision/AP/REX/Shutterstock )

ボナルー、アウトサイド・ランズなどのイベントを手がけるイベント制作会社スーパーフライが、マイケル・ラング主催のウッドストック50とのつながりを絶って撤退の決定を下した。撤退はフェスティバル開催にとって破滅的と関係者が語る。

ウッドストック50の資金面を支えた資金提供者が同フェスティバルのキャンセルを発表してから数日が経ち、今度は制作パートナーが同フェスティバルとのつながりを絶った。ボナルーやアウトサイド・ランズなどのイベント制作を手がけるエンターテイメント企業スーパーフライが、5月1日に同フェスティバルからの撤退をローリングストーン誌に認めた。

「最初のウッドストックから50周年を記念するフェスティバルを実現するために、同イベントの主催者たちはスーパーフライの老舗イベント制作会社としての実力を見込んでフェスティバルの運営と管理を依頼してきた。これは、イベント会場に一つのコミュニティが出来上がるような体験を提供するという当社の信念に合致した役割だった」と、同社の広報担当者がローリングストーン誌に語った。そして、「この契約に従い、当社の担当チームは安全で最高のイベントを実現するために不可欠な要素の助言や提言を続けてきた。しかし、当社のクライアントでもある電通が同イベントからの撤退を決めたことを受けて、当社もこのイベント事業から撤退する決断に至った」ということだ。

過去20年間に渡って数々のフェスティバルの運営管理に携わってきたあるイベント関係者がローリングストーン誌に語ったところでは、今回のスーパーフライの撤退はフェスティバルにとって「破滅的」だという。「運営からスーパーフライが撤退することはフェスティバルの終焉を意味する。スーパーフライが同フェスティバルに不信感を持っているのは誰の目にも明らかだし、主催者たちがこの状況からどう実施にこぎ着けるというのか。限りなく不可能だろう」と。

ウッドストック50の実現は、コーチェラを制作するAEG、またはロラパルーザ、オースティン・シティ・リミッツ・フェストなどを制作するC3などの企業が突然手を差し伸べることにでもなれば不可能ではない。「そういった企業の中には収益を上げたい会社もあるだろう」と、長年フェスティバルのマーケティングを行ってきた前出のイベント関係者が述べた。「AEGとC3なら開催も可能かもしれない。しかし、彼らにしてもウッドストック50の現状がまだ開催が可能な状況だと確認する必要があるだろう。現状を見ると無理としか思えないし、かなり病んだ状態だ。ドクター・オズですら、この患者を救うのは不可能だと思う」と説明した。

ローリングストーン誌はAEGの代理人にコメントを求めたが辞退された。一方、C3の代理人は同社がウッドストック50と関わることはないと答えてくれた。

ウッドストック50に資金提供した電通イージス・ネットワークは4月29日にイベントの中止を発表した。彼らの声明には「我々はこのフェスティバルがウッドストックのブランド名に見合うイベントではなく、出演アーティストたち、パートナーたち、観客の健康と安全を確保できないと判断した」と記されており、これに対するコメントをウッドストック50LLCの代理人に求めたところ、まだ返事は届いていない。

Translated by Miki Nakayama

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE