スコセッシとデ・ニーロが語る「我々が学んだ10のこと」

トライベッカ映画祭2019開催期間中の4月28日にニューヨーク市にあるビーコン劇場に登場したマーティン・スコセッシとロバート・デ・ニーロ。Roy Rochlin/Getty Images for Tribeca Film Festival

トライベッカ映画祭2019開催期間中にニューヨーク市にあるビーコン劇場に登場したマーティン・スコセッシとロバート・デ・ニーロ。長年コラボレーションしてきた二人が、『レイジング・ブル』と近く公開予定の『アイリッシュマン』、さらにレオナルド・ディカプリオとの共演について語った。

映画監督マーティン・スコセッシと俳優ロバート・デ・ニーロのパートナーシップは、辛口の批評家たちも絶賛する創造性を維持しながら、アメリカ映画界で最長といえるほど続いている。4月28日、(デ・ニーロも発起人の一人として2002年に立ち上げた)トライベッカ映画祭2019のプログラムの一つで、この二人がアッパー・ウエスト・サイドにあるビーコン劇場に登場して、90分間に渡ってスコセッシ作品について語り合った。

この対談で二人は、スコセッシの映画界でのキャリアと1973年以来デ・ニーロが出演している9作品を含む一連のスコセッシ作品について縦横無尽に語った。そして、今年後半にNetflixで公開予定の新作『アイリッシュマン』の詳細を少しだけ明らかにする一方で、デニーロが出演した過去の作品にまつわるトリビアや秘話を数多くつまびらかにした。この対談で披露された逸話の共通点は、スコセッシのキャリアが大きく変わるほどのチャンスを引き受けさせようとデ・ニーロが何度も説得したということのようだ。それこそ、『レイジング・ブル』で実在のボクサー、ジェイク・ラモッタの実話を取り入れたことから、あるプロジェクトで新進気鋭の若手俳優レオナルド・ディカプリオを抜擢したことまで、彼らが披露してくれた逸話のうちの10の真実をここで紹介しよう。

1. スコセッシにレオナルド・ディカプリオを推薦した最初の人物がデ・ニーロだった

1993年に当時19歳だったディカプリオと『ボーイズ・ライフ』で共演したあと、デ・ニーロはスコセッシにディカプリオの演技力を熱く語り、ディカプリオを「見事だ」と呼んだらしい。スコセッシは「彼がそんなことを言うのは非常に珍しい」とデ・ニーロをからかうように言い、デ・ニーロにディカプリオを起用するべきだと言われたことを明かした。ディカプリオがスコセッシ作品に初登場したのは2002年の『ギャング・オブ・ニューヨーク』だったが、その後に製作されたスコセッシの4作品に連続して出演し、ディカプリオはどの作品でも鮮明に記憶に残る素晴らしい演技を披露した。

この話をしたあとで、ディカプリオが会場にいることがわかり、スコセッシとデ・ニーロが彼に呼びかけた。前列に座っていたディカプリオが立ち上がって手を振ると、観客から歓声と拍手が沸き上がった。

Translated by Miki Nakayama

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