RADWIMPSインタビュー「野田、桑原、武田が語るバンドの歩みと現在地」

RADWMIPS:左から武田祐介、桑原彰、野田洋次郎(Photo by OGATA for Rolling Stone Japan、Styling by Daisuke Fujimoto、Hair and Make-up by Asami Nemoto)

昨年12月に発表したアルバム『ANTI ANTI GENERATION』以降、RADWIMPSは自分たちのペースで「バンド活動」に没頭できているように見える。新海誠監督の最新作『天気の子』の音楽制作、中国最大級の音楽フェス「Strawberry Music Festival」への出演、初のスタジアム・ワンマンを含む10カ所17公演のツアー「ANTI ANTI GENERATION TOUR 2019」、そして「SUMMER SONIC 2019」への出演。

「君にとっての正解は何か? 君は何を信じるか?」ーーRADWIMPSは、今、そう問いかける。

正解のある問いに対しては、自分の親指だけを動かしてネットで検索すればすぐにわかる。しかし、その一方で、正解のない問いに対しては、多様な選択肢が存在し、自分の思う正解を他者にも強要させようとする風潮さえもある。そんな世の中だからこそ、時代が提示する正解だとか、上の世代が言う正解などには惑わされず、自分の目と体と心を使って、自分にとっての「正解」を見つけてそれを信じればいい。RADWIMPSは、人間が持つエネルギーや可能性の尊さを知っているからこそ、そう歌うことができる。

RADWIMPS、結成から17年。結成当時の話、曲の作り方の変化、ドラムの山口智史の無期限休養発表、『君の名は。』の大ヒット、NHK『18祭』などの出来事をたどりながら、山口を含めた4人のメンバーの関係性の変化や、「人と何かを一緒にやる」ということの価値と難しさを、野田洋次郎(Vo, Gt, Piano)、桑原彰(Gt)、武田祐介(Ba)に聞いた。『ANTI ANTI GENERATION』には、ひとりの人間や機械からは生み出すことができない、複数の人間が合わさることで生み出せるエネルギーと肯定感が宿っている。

※この記事は2018年12月25日に発売されたRolling Stone Japan vol.05に掲載されたものです。

いまだにロックバンドが一番かっこいい 

ー『ANTI ANTI GENERATION』を聴かせていただいて、いまRADWIMPSの3人の結束力がすごくいい状態にあるのだろうなと感じました。なので今回は「バンドとは?」というテーマをRADWIMPSに投げかけてみたいなと思っていて。そもそも、バンドを始めた10代の頃って、どんなバンドに憧れていましたか?

野田:幼稚園の年長から4年半くらいアメリカにいて、小学校5年で日本に帰ってきたんですけど、そのとき(1995年)に日本のバンドの代名詞的なものとしていたのがMr.Childrenやスピッツで。まず日本のことを知っていきたいと思っていたから、「これが日本の音楽なんだ」と思いながらCDを買ったり、ドラマも「これが月9なんだ」とか思いながら観てその延長で音楽を聴いたりしていましたね。


Photo by OGATA for Rolling Stone Japan

ーそこで自分も音楽をやりたいと思ったときに、なぜ「バンド」に憧れたのだと思いますか? たとえば今の10代って、バンドを組むよりもひとりで家でラップトップミュージックを作ってネットに上げることを選ぶ子のほうが多かったりしますよね。

野田:中学生のときは、ギターを覚えてずっと弾き語りをやっていて。バスケ部だったんですけど、部活が終わって家に帰ると、ひたすらギターを弾いて歌ってる、みたいな。もしそのとき身近にラップトップとかGarage Bandがあれば、そういうのを使って自分で全部作っていたんだろうなという感覚はありますね。でも、それがなかったので。あってもせいぜいレコーダーくらい。ちゃんと録音するにはスタジオに行かなきゃいけなくてね。

桑原:そうだったね。

野田:高校に入ってから、くわ(桑原)たちと出会ってバンドを始めて。音楽をちゃんとやるとなると、バンドが一番近道だったんだと思うんです。当時は『BANDやろうぜ』という雑誌があって、そこに楽譜とかがあったりして。

武田:あったね。

野田:一番後ろにメンバー募集があってね。

武田:懐かしい。

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