メジャーレーベル上層部における男女格差と、見えてきた解消の兆し

左:アトランティック・レコードのジュリー・グリーンウォルド、右:エピック・レコードのシルビア・ローヌ(Photo by Stefanie Keenan/Getty Images, Jason Szenes/EPA-EFE/REX/Shutterstock)



今日の音楽業界には、メジャーレーベルで手腕を振るっているシニアの女性たちも存在する。ロサンゼルスに拠点を置くキャピトル・ミュージック・グループのマネージメントチームには、モータウン・レコード社長のEthiopia Habtemariam、Carolineの流通/サービス部門のトップを務めるジャクリーン・サターン、そしてCMGのChief Operating Officerであるミッチェル・ジュベリラー等が名を連ねている。グローバルな音楽業界の未来のリーダーとなりうる存在として、この3人は現在大きな注目を集めている。またワーナー・ミュージック U.K.のGender Pay Gapレポートによると、同社は前年(2017年4月〜2018年4月)に7名の重役を新たに雇用しており、その大半は女性だという。

実のところ音楽業界では、女性重役たちが確かな結果を出している分野がある。それはアーティスト(演奏家)たちとやり取りするレコード会社ではなく、作曲家たちとの仕事が中心となる音楽出版だ。統計を見ると、巨額の利益を生み出している音楽出版の分野では、他の部門よりも重役のポジションにおける男女比率のバランスがとれていることがわかる。

10億ドル単位の金を動かしているUniversal Music Group’s publishing company (UMPG)では、ジョディー・ガーソンが代表およびCEOを務める。2015年に同ポジションに就いたことで、彼女は世界規模で展開するメジャーレーベルにおける初の女性重役となった(それは100年以上続く音楽業界における歴史的出来事だった)。

音楽出版の分野における同社のライバル、ワーナー・ミュージック・グループのWarner/Chappellは、業界人からの信頼も厚いCarianne Marshallを共同経営者およびCOOに迎えている(彼女は入社後に昇進している)。同社において最も地位の高い2つのポジションにおいて、彼女は伝説のA&Rマンとされるガイ・ムートとタッグを組んでいる。

つまり世界最大の音楽出版会社3社のうち、2社を率いているのは女性だということだ。これは今日の音楽業界においては、才能ある女性が重役に就くことが可能になったという事実を示している。統計が発表されるたびに男女格差について非難されるという事態を避けるためにも、音楽業界は今後より多くの分野に女性重役を迎えるべきだろう。

・著者のTim Inghamは、Music Business Worldwideの創設者兼出版人。2015年より、世界中の音楽業界に最新情報、データ分析、求人情報を提供している。毎週ローリングストーン誌でコラムを連載中。

Translated by Akiko Kato

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