AmazonとGoogleが音楽を無料化、Spotifyに影響か?

これらの音楽サービスは、タッチスクリーンによる操作はできないし、両方とも限定された過去の楽曲のみ視聴可能、という内容になっている。昨年のアップグレードのおかげで、Spotifyの無料サービスはもう少しインタラクティブだ — AmazonとGoogleの両プラットフォームに関しては、再生できる楽曲に制限がある(例えば、特定の楽曲のリクエストはできないが、特定のアーティストの情報を元に音楽セレクションや、ラジオステーションをリクエストすることはできる)。

CIRPのリサーチによると、今年の2月の時点で、全米ではおよそ6600万の世帯がスマートスピーカーを自宅に設置している。また同社は、Amazonがそのうち70%のシェアを保持しており、USだけで4600万ものEchoスピーカーが使用されていると言う統計を出した。AmazonとGoogleによる両無料音楽サービスは、彼らのスマートスピーカー購入者が、Spotifyをダウンロードしなくなる一因となるかもしれない — さらに、彼らのハードウェアを売る大きな機会にもなる。両無料音楽サービスの、広告によって収益を生み出そうとする野望は、おそらくSpotifyにとって厄介な存在になってくるのは間違いないと言えるだろう。

Alphabet/Google社 は昨年、広告収入による326億ドル以上の売り上げを発表。広告事業が他の事業に比べると、まだ伸び代があるAmazonでも、100億ドルの広告収入、およびそれに付随するサービスからの収入があった。両サービスは、Spotifyの12ヶ月分の広告収入の規模の小ささを物語る。Spotifyの広告収入は、5億4200万ユーロ(6億4000ドル)であり、Amazonの16分の1、Googleの50分の1に過ぎなかった。

AmazonとGoogleは今、数十億規模のビジネスである広告事業に大きく力を入れていて、音楽関連の広告にも手を広げており、これはSpotifyにとって痛手にも成りえる。彼らは広告主に対して — 見事な技術チームの競争力よりも — よっぽど音楽関連で、マーケティングのお金をかけたくなるような、強力なコンテンツを提供している。

Translated by Leyna Shibuya

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