エリック・クラプトン、6年ぶりにエレクトリック版「いとしのレイラ」を東京で演奏

(Photo by Gus Stewart/Redferns)

エリック・クラプトンは、2013年からこの曲はずっとアコースティックでしか演奏しなかった「いとしのレイラ」を、エレクトリック版を東京の武道館で唐突に披露した。

ここ6年間、エリック・クラプトンが演奏してきた「いとしのレイラ」はオリジナル版の対極と言える、アコースティックギターで奏でる贅肉を削ぎ落としたミニマルなバージョンで、これにはファンも少しがっかりしていた。クラプトンが1970年のデレク・アンド・ザ・ドミノスのクラシック曲のアコースティック・アレンジを最初に発表したのが1992年のMTV『アンプラグド』だった。またたく間にラジオ局で火が点いてヒットし、MTVでもアンプラグドの映像が繰り返し流された。しかし、ファン馴染みのオリジナル・アレンジ(アレンジとしてもこちらのほうが数段良い)をやめて、このアコースティック・アレンジをコンサートの定番として演奏するようになると、特別感は薄れてしまった。しばらくは両方のバージョンを行ったり来たりしていたが、ここ6年間はアンプラグド版「いとしのレイラ」しかプレイせず、オリジナル・アレンジが好きなファンを落胆させてきた。

しかし、4月13日に東京の武道館で行われたコンサートで変化が起きた。ついにクラプトンがアコギをエレクトリック・ギターに持ち替え、オリジナル・アレンジでこの曲を演奏したのである。その演奏を収録した動画はまだ多く出回っていないが、まずはYouTubeにアップされたファン撮影の動画で確認してほしい。このファン、明らかに興奮している様子で、ちゃんと撮影できるようにスマホの向きを変えることすら忘れている。しかし、サウンドもかなり良く、会場の興奮がしっかりと伝わってくる。

このコンサートでのもう一つの驚きの出来事は、1989年以来初めてボビー・ウォーマックの「Wanna Make Love To You(原題)」、2015年以来初の「プリテンディング」、2010年以来初の「ランニング・オン・フェイス」を披露したことだろう。そして、アンコールではジョン・メイヤーが登場して「コカイン」をプレイした。

この出来事が起きたコンサートは、武道館で連続5日間行われる公演の初日で、この話を聞いてオリジナル・アレンジを期待してきたファンたちは、その後の3日間、大きく落胆することとなった。再び着席して聞くアコースティック・アレンジに戻ってしまったのである。武道館での公演最終日が4月20日なので、オリジナル・アレンジを聞ける確率はゼロではない。この公演が終わると、クラプトンはしばしの休憩をとり、6月からヨーロッパ・ツアーを行う予定となっている。アメリカでの次の公演は、9月20〜21日にテキサス州のアメリカン・エアラインズ・センターで行われるクロスロード・ギター・フェスティバルだ。



Translated by Miki Nakayama

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