銃を手に全裸で疾走、コロンバイン事件に「執着」した18歳の容疑者が選んだ結末

コロンバイン銃乱射事件に執着していた18歳のソル・パイス容疑者。FBIの大規模な捜索で遺体となって発見された。(Photo by Uncredited/AP/REX/Shutterstock)

アメリカ時間17日、米コロンバイン銃乱射事件に「執着」しているとの通報を受け、FBIが捜索を続けていた18歳の女性ソル・パイス容疑者が、デンバーで遺体となって発見されたと、FBIがニューヨーク・タイムズ紙に語った。

彼女は銃を携帯しながら全裸で森の中を走っているところを目撃されていたが、その後エヴァンス山のふもとで「自ら発砲したとみられる銃創で」死んでいるのが発見されたと、ジェファーソン郡のジェフ・シュレイダー保安官がタイムズ紙に語った。

「ソル・パイス容疑者が死亡したことをお伝えいたします」と、FBIのデンバー支局は17日午後にツイートした。「情報提供にご協力くださった皆さん、またコミュニティの安全維持に努めた警察当局に感謝いたします」

パイス容疑者はマイアミ・ビーチ高校に通う高校生で、20年前に13人の学生が射殺されたコロンバイン高校の銃乱射事件に執着していたとみられる。パイス容疑者の捜索のため、コロラド州の150か所あまりの学校や地区が封鎖、および閉鎖された。FBIは先のツイートの前にも「コミュニティへの危険は解除された」とツイートしていたが、パイス容疑者の死亡に関しては明言していなかった。

FBIによると、パイス容疑者は今週初めにマイアミの自宅からコロラドへ飛行機で向かい、15日の夜に両親が捜索願を出していた。コロラドに到着したパイス容疑者はすぐにリトルトン地区の販売店でショットガンと弾倉を購入した(コロラド州の法律では、銃器販売者は購入希望者の経歴チェックをおこなわなくてはならないが、デンバーの地元誌ウェストワードも指摘しているように、チェックにかかる時間はせいぜい15分程度)。

地元警察当局が発表した警戒情報によれば、パイス容疑者は「武装した危険人物」と見られていた。FBI特別捜査官は記者会見で、彼女が「コロンバイン事件に執着を示して」と述べたが、どのような類の執着かは明らかにしなかった。NBCニュースが報じたところでは、彼女はネット上に日記を保存しており、その中には自殺のために銃を入手したいという旨が書かれていた。また、コロンバイン銃撃事件の犯人ディラン・クレボルドの似顔絵もあったという(警察当局は、この日記がパイス本人のものであるとは断定していない)。

パイス容疑者の父親は取材陣とのインタビューに答え、娘と最後に話をしたのは14日の日曜日で、この数日は「悪夢のようだ」と語った。またマイアミヘラルド紙の取材に対し、娘は「おそらく精神を病んでいる」と語り、家に帰ってくるよう呼び掛けていた。

Translated by Akiko Kato

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