友人だったヴァニティ・フェア誌の元編集者が語る「ソーホーの詐欺師」の手口

公判中のアナ・デルヴィー。ニューヨーク州高位裁判所にて(Photo by Richard Drew/AP/REX/Shutterstock)

ホテルや飲食店で何十万ドル相当の詐欺を働いた罪に問われている「ソーホーの詐欺師」こと、アナ・デルヴィー(本名アナ・ソロキン)。米ヴァニティ・フェア誌の元フォトエディター、レイチェル・デローチ・ウィリアムズ氏がアメリカ時間17日と18日におこなわれた裁判に証人として出廷。デルヴィー被告とのモロッコでの2人旅の旅費をだまし取られた経緯を明らかにした。

ウィリアムズ氏は感極まりながら、デルヴィー被告との関係がもたらした結末を振り返った。「今までの経験でもっとも精神的にショックな出来事です」と、涙ながらに語った。「アナと出会わなければよかった。もし昔に戻ってやり直せるなら、そうしたい。こんなことは誰の身にも起きてほしくありません」

ウィリアムズ氏はデルヴィー被告と出会ったいきさつを検察側に語った。2016年2月、ナイトクラブで会ったのがきっかけで親しくなり、被告が滞在していたハワード通り11番地のホテルの部屋を訪ねていたという。

2017年5月、ウィリアムズ氏はデルヴィー被告に付き添ってモロッコ旅行へ出発し、マラケシュにある1泊7000ドルの高級リゾートホテル、ラ・マムーニアに滞在。自称「ドイツの令嬢」を名乗っていたデルヴィー被告が、2人分の旅費を払ってくれると思っていたとウィリアムズ氏は語る。「彼女が行くと言っていた場所は、世界屈指のラグジュアリーホテルでした。それで私は、彼女が旅費を払ってくれるのだなと思いました」

到着から数日後、ホテルのスタッフが客室を訪れ、デルヴィー被告に支払いを請求。被告は自分のクレジットカードに問題があるので、後日返金するから6万2000ドルの滞在費を立て替えてほしい、と依頼した。ウィリアムズ氏は同意し、個人のクレジットカードと勤務先のコンデナスト社の法人カードで半分ずつ支払いを済ませた。

ウィリアムズ氏はその後何カ月もデルヴィー被告に返済を要求。家賃や生活費が支払えなくなると言った。「いますぐどうにかして! 家賃が払えないのよ!!!!!!!!  だからこんなに焦ってるの!!!!!!!!」という携帯メッセージをソロキンに送ったと証言した。デルヴィー被告は「問題があって今は返済できない」と繰り返した。困ったウィリアムズ氏はチャイナタウンの警察に通報したが、警部補から「顔写真付きでGoFundMeにページを立ち上げて、元を取り返せばいい」と言われた、と証言した。被告からだまされたウィリアムズ氏は金銭的に窮地に追い込まれ、友人や家族から借金をしなくてはならなかったと語った。

Translated by Akiko Kato

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