ビヨンセのコーチェラドキュメンタリー『HOMECOMING』で明かされた5つのこと

2.妊娠は決して楽なものではなかったし、回復にも大きな苦労が伴った

ルミとサー・カーターをお腹に宿したことが、ビヨンセがコーチェラ2017のヘッドライナーを延期したきっかけだった。しかし彼女は、その妊娠がいかに大変であったかを明かしたことは無かった。作中では、高血圧や妊娠中毒症、妊娠高血圧腎症(肝臓と腎臓に機能障害が発生する、高血圧によって起こる症状)に罹ってしまったと告白している。さらに、双子のうち一人はお腹にいる間に心音が停止してしまったため、緊急帝王切開を行なったそうだ。

幸運なことに、彼女の赤ちゃんは無事健康体で生まれてきたが、良かったのは最初だけだったと言う。と言うのも、出産当日、彼女の体重は218ポンド(訳注:約99kg)もあり、3人の子供を抱えながら体型を元に戻すことは、非常に困難なプロセスであったそうだ。作中では、再び激しいパフォーマンスをするための体型作りに対して、彼女が苦しんでいる様子が映し出されている。

「もう、元に戻ることは無理だって思っていたの」と、ナレーションで語ったビヨンセ。「ずっと同じ体型ではいられない。私の強さと忍耐力も、いつまでも持たないわ」これらの不安に打ち勝つために、厳しいヴィーガンダイエットと、骨の折れるようなトレーニング方法を実行したと言う。


コーチェラ2018でのビヨンセ。Photo credit: Larry Busacca/Getty Images

3. ビヨンセは厳しいボスだった

作品の見どころのうちの一つは、ビヨンセのようなポップの女王が厳しく、しかし優しく自身のチームを引っ張り、彼女の高尚なヴィジョンが見える部分だと言える。冒頭では、彼女は気づいてはいたが、改めてもう一度、皆で舞台を完成させるためランスルーを行う必要があることに注目している。ビヨンセは当初から、このショウをステージ上のパフォーマーや、そこにいる観客だけではなく、あらゆる人々に経験して欲しいと願っていた。しかしステージには200人以上が立つことになっていたのだから、それは重労働だ。彼女の語る詳細によると、カメラのスタビライザーの使い方や100人以上のパフォーマーをどのように演出するかも含めて、従来の慣習にとらわれないアイディアを持っていたと言う。リハーサルのためのサウンドステージは、3つ用意した:1つはバンドのため、1つはダンサーのため、そしてもう1つはクリエイティブチームのためだ。そしてビヨンセは、すべての演出の詳細が完璧になるように、そして映像にステージ上のエナジーがしっかりと映り込むように、ステージ間を何度も行き来した。

Translated by Leyna Shibuya

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