指名候補を勝ち取るためにはいくら必要? 米大統領選・民主党候補者たちの資金調達額

2019年3月23日、サークル・オブ・フレンズ・コミュニティ・センター(サウスカロライナ州グリーンヴィル)で開催された民主党のマンスリー・ブレックファストで、自身の大統領選出馬について語るサウスベンド市長、ピート・ブーティジェッジ。(Photo by Richard Shiro/AP/REX/Shutterstoc)

2020年の米国大統領選へ向け、民主党からはバーニー・サンダース、カマラ・ハリス、ピート市長らが立候補を表明している。2019年の第1四半期が終わり、彼らが調達した資金の内訳が見えてきた。

2019年第1四半期における最大のサプライズは、ピート市長ことピート・ブーティジェッジだ。インディアナ州サウスベンドの市長を務め、2020年大統領選候補者のトップ集団に浮上した37歳は今、数百万ドルの少額寄付によって支えられている。彼の大統領選準備委員会は2019年第1四半期に、700万ドル(約7億8400万円)以上の資金を調達した。「当初の目標をはるかに上回っている」とブーティジェッジはビデオメッセージの中で、新たに調達した資金について述べている。ピート市長によれば、約16万人から集めた資金の3分の2は、1件あたり200ドル(約2万2400円)以下の寄付によるものだという。

ブーティジェッジを上回ったのは、カリフォルニア州選出の上院議員カマラ・ハリスだった。彼女は大統領選を初めて目指す候補者の中で最も多くの金額を集め、合計1200万ドル(13億4400万円)以上を調達した。彼女の選挙陣営は13万8000人の寄付者から21万8000件の寄付を集めたが、寄付の98パーセントは100ドル(1万1200円)以下で、オンライン寄付の平均額は28ドル(約3100円)だった。

第1四半期で最も資金を集めたのは、もちろんバーニー・サンダース。バーモント州選出の上院議員は、少額寄付を集める集票組織を基盤に次期大統領選へ名乗りを上げた。50万人の寄付者からの1件あたり平均約20ドル(約2200円)の少額寄付により、2020年へ向けた最初の1カ月で1800万ドル(約20億1600万円)以上を調達している。彼の選挙陣営によると、寄付金の約90パーセントは、200ドル以下の寄付によるものだという。

テキサス州の前下院議員ベト・オルークは2019年第1四半期に940万ドル(10億5300万円)を集め、資金調達のトップクラスに入った。寄付金のほとんどは大統領選へのキックオフキャンペーン時に調達されたもので、スタートから24時間で600万ドル(約6億7200万円)以上を集めている。オルーク陣営は寄付者の人数は公開していないものの、寄付件数は21万8000件であることを明らかにした。

マサチューセッツ州選出のエリザベス・ウォーレン上院議員は、自身の上院議員選の選挙資金から1000万ドル(約11億1200万円)を大統領選の活動資金へと移動させたという。結果、トップクラスの資金調達者に張り合うだけのリソースが準備された。少額の草の根寄付活動を推進するウォーレンは、大口の寄付を募るための特別な選挙資金集めパーティなどはおこなわない、と明言。彼女の決断をきっかけに、陣営の財務担当責任者が辞任している。それでも彼女は、13万5000人の寄付者から600万ドル(6億7200万円)を調達した。

Translated by Smokva Tokyo

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