エアロスミスが初めてテレビで演奏した「ドリーム・オン」を回想

(Photo by Jeffrey Mayer/WireImage)

現在行われているエアロスミスのラスベガス公演は、小規模会場ということもありチケットやオプション類など、現在法外な高値が付くプレミアライブとなっている。まだ駆け出しのボストン出身の新人バンドだったエアロスミスが、テレビの向こうにいる大観衆の前で初めて演奏した動画を振り返る。

エアロスミスのラスベガスでのレジデンス公演「デューセズ・アー・ワイルド」が先日スタートした。収容人数5200人のMGMリゾート・パーク・シアターで行われている。ここは普段彼らがコンサートを行っているアリーナの4分の1のサイズだが、その狭さが逆にチケットの法外な高値を呼んでおり、最前列の席は1300ドル(約14万5000円)で、オプション類は“スティーヴン・タイラーとジョー・ペリーと会う”が2500ドル(約28万円)。“ジョー・クレーマー、トム・ハミルトン、ブラッド・ウィットフォードと会う”が750ドル(約8万4000円)。“楽屋の見学ツアーとエアロスミス・ミュージアムの見学”が275ドル(約3万円)となっている。

ここで1974年8月にテレビ番組『ミッドナイト・スペシャル』で「ドリーム・オン」を演奏した動画をご覧いただきたい。メンバーと握手して一緒に写真を撮る特権を得るために、ファンに1ヶ月分の給料を使わせる立場になる遥か昔の彼らがそこにいる。当時のエアロスミスはアルバム『飛べ!エアロスミス/Get Your Wings』のツアーの最中だったが、このアルバム収録曲がラジオで流れることはなく、相変わらず「ドリーム・オン」だけが全国的な認知度を得ていた。

この夜の『ミッドナイト・スペシャル』はリトル・リチャードがMCを務め、エアロスミス以外のゲストには、元テンプテーションズのエディー・ケンドリックス、クール&ザ・ギャング、ブラッド・オブ・スウィート・ティアーズのデヴィッド・クレイトン=トーマスとゴールデン・イアリングがいて、この夜のゴールデン・イアリングはクラシック曲「Radar Love(原題)」を演奏した。これは『サタデー・ナイト・ライブ』が始まる前年で、『ミッドナイト・スペシャル』はバンドのライブ演奏を見られる数少ない番組の一つだった。確かにイギリスBBCの『トップ・オブ・ザ・ポップス』がすでに大人気ではあったが、この番組はライブ演奏ではなく口パクを強いていた。一方『ミッドナイト・スペシャル』では出演者全員が生演奏を行っていたのである。

エアロスミスが9シーズン続いた『ミッドナイト・スペシャル』に出演したどのバンドとも違う点は、現在もこの番組に出演時と同じメンバーで続けていることだ。エアロスミスの5人は、これまでシビアな健康問題やドラッグ問題に直面してきたが、ラスベガスでバンドの冠がついた公演を行える日まで奇跡的に全員が生き延びている。この公演を見た人たちは口を揃えて素晴らしいコンサートだと言い、「折れた翼/Seasons of Wither」や「キングス・アンド・クイーンズ/Kings and Queens」などの通向けの楽曲をヒット曲に交えて披露しているらしい。また「ドリーム・オン」は公演終盤に登場し、1974年同様に現在のラスベガス公演最大の盛り上がり曲となっている。

Translated by Miki Nakayama

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