デビュー40周年のASKA、「万里の河」をめぐる出会いのストーリー

「ASKA CONCERT TOUR 2019 Made in ASKA - 40年のありったけ -」の様子。(Courtesy of ASKA)

2018年9月に復帰し、現在復帰後2本目のツアー中のASKA。そのツアー「ASKA CONCERT TOUR 2019 Made in ASKA - 40年のありったけ -」でのパフォーマンスが本当に素晴らしい。現在61歳にしてデビュー40周年イヤーで再び高みを目指すASKAに、本ツアーのこと、デビュー40周年のこと、音楽性の変遷、本ツアーへの想いなど膝を交えて聞いた。

ー復帰後初となるバンドでのツアー『ASKA CONCERT TOUR 2019 Made in ASKA - 40年のありったけ -』、3月23日の宇都宮公演を拝見しました。ASKAさんのバンドでのライブを拝見するのは2012年12月の仙台公演以来で、再びバンドで歌う姿を観れること自体感無量だったんですが、それよりもライブの内容が素晴らしく本当に感動しました。

ASKA:ありがとうございます。そう言って頂けて本当にうれしいです。

―少し振り返りたいのですが、復帰最初のコンサートツアーはオーケストラを従えての「billboard classics ASKA PREMIUM SYMPHONIC CONCERT 2018 -THE PRIDE-」(2018年11月、12月 9都市11公演)だったんですよね?

ASKA:世間的にはオーケストラとのツアーで復帰に見えたと思うんですが、実はあれはカラクリがあったんですよ。コンサートホールは(執行猶予)明け(2018年9月)に貸すことはできるけどその前のプロモーションで「○○の会場でやる」と告知するのは控えてほしいと。会場名を告知出来ないということは実質上ライブができないってことでしょ。復帰を迎えてコンサートを立ち上げたら、ライブが出来るのは復帰してから半年以上は後になるんです。さて困ったなぁと言っていたらありがたいお話をいただいたんです。オーケストラのゲスト・ヴォーカリストとして出てくれないかって。なので、あのツアーは僕はあくまでもゲスト・ヴォーカリスト。それなら告知も出来るということで、無事にライブの開催のこぎつけられたんです。

―そうだったんですね。残念ながらそのツアーは拝見出来なかったんですが、オーケストラツアーではASKAさんはツアー中に風邪を引いて喉の調子が十分ではなかったと聞いています。

ASKA:実はツアー初日も既に風邪をひいていたような気がしていて。その後は熱が出て、しかも風邪が喉を直撃。でも回復する間もなく次のコンサートだったので、結局、初日以外は出来としては全滅でした。

―待望の復帰ツアーだっただけに本人的には、肉体的にも精神的にもつらかったですね。

ASKA:本人としては自分自身のことだから仕方がないとういか大丈夫なんです。だけど復帰を待ってくれていてライブをすごく楽しみにしてくれていたお客さん達に、あんな声であんなステージを見せてしまったことに本当に申し訳ないなぁと思ってました。でも、少しでも心からのお返しができないだろうかという気持ちが気力になって歌いましたね。普通は声を割ると次が怖いからちょっと引くんですけど、でも声を割ってでも毎日歌いましたね。治らないまま。

―じゃあ今回のツアーは前回のリベンジも兼ねているんですね。

ASKA:リベンジというよりは、来ていただいた方にはちゃんとお返しをしたいと思っています。



―そして、迎えた今回のツアー。先日の宇都宮でのライブでは、とにかくASKAさんが楽しんでいる姿が印象的でしたし、古くからのCHAGE and ASKAファンの友人も、今回のツアー初日の八王子公演を観て、「あんなに楽しそうに歌うASKAさんの姿は本当に久しぶり!」と興奮していました。

ASKA:ありがとうございます。楽しそうに歌っていると見えてくれているのは、自分が心から楽しんでいるからです。それと、今回のツアーは何はどうあれ、何を歌っても、どう積み上げてもこういうコンサートになるのは自分では分かっていました。<40年のありったけ>と謳ったその決め台詞を出した当初は、40年間の自分のヒット曲、世の中に認知されている楽曲、求められている楽曲を並べようと最初は思っていたんです。だけどね、考えているうちにそんなことやってもしょうがないなって。初めて来られるお客さんはそれでも喜んでくれるだろうけど、僕の復帰を待ってくれていた人達に、アーティスト人生40年間で蓄えた今の自分を見せるのが一番自然じゃないかと思ったんです。なので、結局新しい曲も沢山セットリストに入っています。

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