ノートルダム大聖堂で火災 パリ消防局は修復計画との関連に言及

炎に包まれたノートルダム大聖堂(Photo by Martin Barzilai/Bloomberg via Getty Images)

現地時間15日夜、仏パリのノートルダム大聖堂で火災が発生し、尖塔の一部が炎に包まれて崩落した。

AP通信によると、尖塔と一緒に大聖堂の木造の骨組みも崩壊したようだと、広報担当者がコメントした。救急隊員は、できるかぎり装飾品を運び出そうとしている模様。フランス内務大臣の話では、400人以上の消防隊員が現場に出動したが、火が屋根に燃え移ったため、高さがありすぎて外からの消火ができないという。

火災が発生したのは夜6時30分ごろ。火事の原因はまだわかっていないが、パリ消防局はフランスのメディアに対し、2017年に始まった大規模な修復計画と「おそらく関連があるのでは」と語った。樫と250トンの鉛製でできた尖塔が修復計画の主な対象で、ちょうど先週、十二使徒の銅像と4人の福音書記者のシンボルが教会の屋根から取り外されたばかりだった。

ノートルダム大聖堂の建立は12~13世紀。中世ゴシック建築の傑作として、パリでは観光名所としても愛されてきた。19世紀中盤に大規模な修復計画がおこなわれた。かの有名なヴィクトル・ユーゴの1831年の小説『ノートルダム=ダム・ド・パリ』の中で聖堂が崩れ堕ちる場面が描かれたことも、修復計画の引き金になった。

毎日教会を見学に訪れる何千人もの観光客や来場者の目には見えなかったものの、ノートルダム大聖堂は数々の問題に悩まされてきており、最近始まった修復作業はそうした問題に対応するのが目的だった。たとえば破損したガーゴイル(グロテスクな2つの顔を持つ怪物で、雨どいの役目をしていた)や、教会を支えるフライング・バットレス(空中にアーチをかけた飛梁)を固定する大理石の侵蝕など、様々な問題があった。

だが、こうした修復作業は必要ではあったものの、ジョン・ジェイ・カレッジで火災科学を教えるグレン・コルベット准教授がニューヨーク・タイムズ紙の取材に語ったところによれば、古い宗教的建造物の作業はしばしば大惨事を引き起こすことがあるという。道具から火花が出て、可燃物に引火してしまうこともある。

報道によれば、フランスのエマニュエル・マクロン大統領はノートルダム大聖堂の火災を緊急事態とみなし、予定されていたスピーチをキャンセルした。スピーチでは、ここ何カ月間パリ市内で起きているいわゆる「黄色いベスト運動」対策を発表することになっていた。Twitterでマクロン大統領は、「ノートルダム大聖堂が燃えている。国全体が心をかき乱されている。カトリック教徒およびフランス国民のみなさんに心からメッセージを送ります。すべてのパリ市民同様、私も我々の一部が今夜焼けていくのを見て、悲しみに暮れています」

Translated by Akiko Kato

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