『ゲーム・オブ・スローンズ』最終章を迎える前に知っておくべきこと

ドラゴン参上:『ゲーム・オブ・スローンズ』ファイナルシーズンに向けて知っておくべきことをさっとおさらい(Photo by HBO)

いよいよ明日2019年4月15日(月)より『ゲーム・オブ・スローンズ 最終章』が、世界同時放送でスタートする。誰と誰が同盟を結び、誰と誰が敵同士なのか、亡者となったアイスドラゴンはどこへ行くのか? 最終章を迎える前に、今一度予習復習をしてみよう。

古今の神々にかけて、これだけは誓って言う。我々が最後にウェスタロスに足を踏み入れたのは2017年8月、その日を限りに『ゲーム・オブ・スローンズ』は壮大なファンタジー物語のもっとも野心的な章の幕を下ろし、今日にまで至っている(ひとことで言うなら、亡者と化したアイスドラゴンのようだ)。人の手配やら視覚効果の製作やらで最終章がスタートするまでに丸1年以上も要したのだとは思うが、正直に言わせてもらおう。実は関係者もちょっと一息入れたかったんじゃなかろうか?

もし第7章からひとつ学ぶことがあるとすれば、いがみ合っていてはどうにもならないということだ。スターク家、ラニスター家、ターガリエン家、バラシオン家、ボルトン家、フレイ家、グレイジョイ家、タイレル家、マーテル家の人々が互いにやり合った挙句、ついに方策尽きた七王国の王たちは結束して、ホワイト・ウォーカーや亡者の世紀末軍団に立ち上がることになる。

いくつもの絡み合ったストーリーをすべて把握するのはかなりの至難の業。同盟が結成され(ては解消され)、大勢が命を落とし、物理的にもさまざまな人物が物語の舞台を縦横無尽に駆け巡る。そんな内容の濃いシーズンが7つも続いた後ではなおさらだ。でもご心配なく。この『ゲーム・オブ・スローンズ』虎の巻があれば、最終章が始まる前に、物語のスタート地点――あるいはフライング地点――がどこか、すぐにわかるはず!

<善人たち>

まずは朗報。善人たちのニュースは盛りだくさんだ。たしかに、最後に笑ったのは悪の勢力だったかもしれない(改めて言っておくと、相手は生き返ったドラゴンだ――なにしろ青白い氷の炎を吐くんだから!)。だが我らが英雄たちも、和解やら同盟やら来る戦いにむけた備えやら、何かと忙しくしていた。

まずは、かつての北部の王ジョン・スノウから見ていこう。冥夜の守り人の元総帥は、シーズン6「落とし子の戦い」でボルトン家の勢力を退けた功績が認められ、北部諸侯から――なかでも頭の切れる右腕サー・ダヴォス・シーワースから――王に推薦された(どうでもいいことだが、彼もまたある時点で死から蘇っている)。

ただし、ジョンは出世に目がくらむ男ではない。デナーリス・ターガリエンと協定を結ぶべく要塞の島ドラゴンストーンへ向かった彼は、自らの意思で王座を退き、彼女の前に跪いて助けを請うた。当然ながら、彼女の城の地下にはドラゴンとドスラク人の穢れなき軍団、そして彼女が大量に抱えるドラゴングラス(ホワイト・ウォーカーにとっては、スーパーマンのクリプトナイトのような火山石)が控えていた。最終的に彼は彼女のハートを勝ち取る。



だが、その間にもさまざまなことが起きていた。まず、ジョンはにわか仕立ての援軍を結成。暴力まみれの人生を悔いる “ハウンド”ことサンダー・クレゲイン、旗標なき兄弟団を率いる不死身のベリック・ドンダリオンと、彼を何度も蘇らせる紅の祭司ミアのソロス、最後まで生き残ったロバート・バラシオン王の私生児ジェンドリー、野人の指導者で“巨人殺し”の異名をもつトアマンド、デナーリスの右腕ジョラー・モーモント(彼はジョンの親友で、のちに主となるサムウェル・ターリーに、死に至る灰鱗病から命を救われた……ちなみにターリーは、ラニスター軍に降伏するのを拒んだ自分の父と兄を焼き殺したのがデナーリスであることを知らない)。これら強者どもが力を合わせて死者の軍勢を退け、亡者の1人を捕らえて、危機が迫っていることを証明しようとした。

Translated by Akiko Kato

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