ラウドロック? ピコリーモ? 進化を続けるPassCodeの真なる姿

PassCode(Photo by Shingo Tamai)

独自路線を開拓する孤高のグループ、PassCodeのインタビューをお届けする。

4月3日にPassCodeがメジャー2ndアルバム『CLARITY』をリリースした。前作『ZENITH』はラウドロックに振り切れた内容で、「PassCodeはアイドルなのか? バンドなのか?」という論争が巻き起こったが、『CLARITY』はそこからさらに一歩深く踏み込んだ内容となった。従来のラウドな路線を突き進むわけではなく、かといってアイドルらしいポップな作品になったわけでもない。様々なサウンドを盛り込みつつも、作品としてのクオリティは過去最高と言える。

ここまでくると、PassCodeを既存のジャンルに当てはめるのはもはや適切ではない。4人はPassCodeというグループとして、誰もが足を踏み入れたことのない領域へと突き進んでいるのである。

今回は今田夢菜と大上陽奈子の2人を迎え、最新作の話を中心に、去年開催された過去最大規模の全国ツアーの話、お茶の間までパスコサウンドの片鱗を届けることとなったDMM.comのCMの話など、グループの現在地について語ってもらった。

―まず、去年のツアー「Taking you out TONIGHT! Tour 2018」について聞かせてください。

大上陽奈子(以下、大上):一昨年の「ZENITH TOUR 2017」は壁を乗り越えるためのツアーだったんですけど、去年のツアーはそれよりももっとラフな感じで回れたと思います。初日の東京で「あ、このツアーは大丈夫だな」って思えましたね。追加公演を含めて全部で20本っていう今までで一番長いツアーだったので、全部が全部楽しいツアーっていうわけにはいかなかったんですけど、回ってよかったなと思えました。


大上陽奈子(Photo by Shingo Tamai)

―ちゆなさん(今田)はいかがでしたか?

今田夢菜(以下、今田):「無事に終わってよかったな」っていうぐらいしか感想が思い浮かばないんですけど、「ZENITH TOUR 2017」のときと同じで、気付いたら終わってたって状態だったので、全公演ちゃんと終わってよかったなって思います。


今田夢菜(Photo by Shingo Tamai)

―ファイナルのZepp DiverCity公演はすさまじいライブでした。ちゆなさんの声も腹の底から湧き上がってくるような迫力があって。

今田:確かに、あの日はそれまでとは気持ちが変わった感じでしたね。

―ひなさん(大上)はどうでしたか?

大上:Zepp DiverCityは2年半ぶりの場所で、当時は自分たちの黒歴史として残ってるぐらい悪い印象が強かったんですよ。客席に花道を作ったのにそれでもお客さんがまばらに見えたり(笑)、ライブ自体も出来が悪くて。でも、今回はステージに出ていった瞬間に人がたくさんいたことにまず感動しました。このツアーは初めてセトリの軸を変えずに組んでいたので、あの日はそれまでの集大成って感じがしましたね。

―あのツアーで得たもの、気付いたことってありますか?

大上:これまでは「自分は歌が好き、踊るのが好き」っていう気持ちでパフォーマンスをすることが多かったんですけど、あのツアーから「観に来てくれている人たちのために歌いたい」って思うようになりました。今までは誰かのためじゃなくて、ただそうすることが好きだから歌ってたっていうことに気付いたんです。でもそうじゃなくて、いつも観に来てくれる人とか、地方で「ずっと待ってた!」って言ってくれる人を見て、「こんなに応援してくれる人がいるなら、この人たちのために歌ったり踊ったりしたいな」って。

―「自分の歌を届けたい」と強く思うようになったんですね。ちゆなさんはどうですか?

今田:ここ最近のライブは、自分のことに必死しすぎてお客さんの顔をしっかり見れてなくて。でも、ファイナルでやっとお客さんの顔を少し見れるようになって、「あ、こんなに楽しそうにしてくれてんねや」って思ったのが一番印象深かったです。ツアーが始まってから公演のたびにいろんなところから人が来てくれて、その集大成が東京で、それを楽しみに待ってくれてた人がこんなにいたんやなってみんなの顔を見て気付かされました。

―なぜファイナルでお客さんの顔を少し見られるようになったんですか。

今田:なんでなんですかね(笑)。あの日は「見れる!」って思ったんです。

大上:あの日はお客さんのボルテージがすごかったですよね。「この日を待ってました!」って感じが最初から伝わってきて、「熱っ!」って思いました。

―「KISSの花束」のイントロが鳴ったときの絶叫もすごかったですよね。

大上:すごかった!! イヤモニを付けてても声が届きました。そういう反応を狙ってたのでよかったです。

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