ストリーミング黄金時代、音楽レーベルの同一化現象とは?

2018年、シカゴのネイビー・ピアのコンサートに出演するマシュメロ。(Photo by Rmv/Shutterstock)



今のところ、大手レコード会社はこうした風潮に抗うのではなく、歓迎の姿勢を見せている。よくあるのが、アーティストのマネージメント会社と組んで共同事業を立ち上げるといったケースだ(Three Six Zero社やPalm Tree社は、いずれもソニー・ミュージックと共同事業契約を結んでいる)。

こうした傾向はレーベル側にも広がっている。ラテン界のスーパースターJ・バルヴィンの場合、ユニバーサル・ミュージッ・グループはレコード会社兼共同マネージャーを務めている(老舗のRebeca Leonとの共同マネージメント)。さらに2017年、UMGは日本のオフィス・オーガスタを買収し、日本人アーティストのマネージメントからライブプロモーションまで、あらゆる業務を展開している。

チャンス・ザ・ラッパーといったアーティストと組んできたイギリスの流通会社Ditto Musicが、なぜ最近マネージメント子会社を設立したのか、これでだいたい察しがつくだろう――これもまた、高まる事業拡大欲が従来の音楽業界の壁を壊した一例だ。

まとめると、ストリーミング会社は流通会社と化し、場合によってはレコードレーベルにもなる。レコード会社はストリーミング会社へ姿を変え、時にマネージメント会社としての顔も持つ。マネージメント会社がレコードレーベル化すれば、流通会社がマネージメント会社の代わりを果たす(ちなみにこうした企業はみな、動画および/またはポッドキャスト制作会社への転換も画策している)。

だが一方で、決して変わらないものがある。こうした動向の中心にいるのは、世界トップクラスのアーティストたちだ。彼らにラブコールを送る企業は、昔とは違う姿をしているかもしれない。だが業界の人間は誰もがみな知っている。ストリーミングが世界中で躍進を続ける中、これまで以上にリスクは高くなるだろうと。


・著者のTim Inghamは、Music Business Worldwideの創設者兼出版人。2015年より、世界中の音楽業界に最新情報、データ分析、求人情報を提供している。毎週ローリングストーン誌でコラムを連載中。



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