ローリングストーン誌選、最新ストリーミング必聴アルバム

4. Todd Snider『Cash Cabin Sessions Vol.3』
Todd Sniderは最高にイカした奴だ――歌詞はカミソリのようにシャープで情け容赦なく、ユーモアたっぷりで、驚くほど温かい――だから、この素朴なアコースティックアルバムを出したのは正解だ。いきなりギャクで先制攻撃をかまし(Vol.1、Vol.2などない)、人間味あふれるお決まりのジョークが続く。もちろんトランプもネタにされている。たとえば「Talking Reality Television Blues」は、ボブ・ディラン(「Talking John Birch Society Blues」および「Talking World War III Blues」を参照)や、さらにさかのぼってウディ・ガスリーにオマージュをささげた1曲だが、ミルトン・バールのTV番組「Texaco Star Theatre」のセリフを引用し、MTVやFox News、『アプレンティス』風のアレンジを加え、トーキングブルースのスタイルを再構築している。――Will Hermes



5. Ex-Hex『It’s Real』

「アンジー、君はそんなに強いの?/手放してもいいっていうの?」 甘いエレキギターの響きにのって、Mary Timonyが問いかける。Ex-Hexの最新アルバムからの1曲は、ミック・ジャガーばりの激しい、堂々としたパフォーマンスで(いや、彼以上かも)、新たなロックンロールのアンジー像を完成させた。Ex-Hexのセカンドアルバムは、全盛期のストーンズやデビューアルバム『Rips』同様、一貫してガレージロック一辺倒。デビューアルバムに続いてこのアルバムも、シャングリラスからブロンディ、スレーター・キニーへ、そしてEx-Hexと続く系譜を受け継いでいる。――Will Hermes



6. カレン・O&Danger Mouse『Lux Prima』
カレン・OとDanger Mouseは初のコラボアルバム『Lux Prima』について、「共通のゴール地点」と表現している。聞いた限りでは、彼らのゴール地点は宇宙のようだ。全9曲のアルバムは、2人のロックの感性にあふれたミルキーウェイを下る、贅沢な宇宙旅行。カレン・O独特の角が立ったヘヴィーな声が、Danger Mouseのキラキラした空間サウンドと融合した作品だ。――Brittany Spanos



7. ケイト・ブッシュ『The Other Sides』
アメリカ人の心の友で、コラボレーション仲間のプリンス同様、ケイト・ブッシュも多作の時期に抱えきれないほどの傑作をレコーディングした。理由は定かではないが、なぜかこれらの作品がアルバムに収録されることはなかった。そしてついに、これらの音源がひとつにまとめ上げられた。全34曲、その中にはB面曲、リミックス、アルバムに収録してもよさそうな曲、そして一風変わったカバー曲など――アヴァンギャルドなソングライターの、最もゴージャスで、豪華絢爛で、胸の内をさらけ出し、超ブッとんだ音源も含まれている。――Will Hermes



Translated by Akiko Kato

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