ツタロック2019クイックレポ:Base Ball Bearの「ノールール」な超展開

Base Ball Bear(Photo by Megumi Suzuki)

本日3月30日、幕張メッセ 国際展示場9・10・11ホールで開催中のツタロックフェス2019。MASSIVE STAGEに出演したBase Ball Bearのクイックレポートをお届け。
 
リハで「17歳」とは! 遠くから慌てて駆けてくる人がチラホラ。ツタロックフェス1日目は早くも終盤に差し掛かっていて、場内の空気もいくぶん穏やかになっている。そんなタイミングでBase Ball Bear、いいじゃないですか――そんなふうにのんきに構えていた40分前の自分はなんと愚かだったのだろう……。

SEをバックにステージに現れた3人は、ドラムを取り囲む形で何やら言葉を交わし、散開。そして鳴らされたのは「ドラマチック」。小出祐介(Vo, Gt)による瑞々しい歌とメロディがスーッと体に染み渡る。フロントに立つ2人の姿を堀之内大介(Dr, Cho)が後ろから楽しそうに見守る様子がいい。小出による短い挨拶のあとはすぐさま「ポラリス」へ。軽やかなビートに合わせ、関根史織(Ba, Cho)が跳ねるようにステップを踏む。

MCで小出は、「去年からさらに肩を鍛えまくってモリモリになった姿を見てください」と言っていたが、確かに演奏はシンプルながら、音の粒が立っていて心地よく耳朶を打つ。しかし、このあとから徐々にサウンドが変化していく。本番はここからだったのだ。関根がベースからチャップマンスティックという弦楽器に持ち替え、ファンキーなラインをタッピングで披露。「Transfer Girl」では、多くの人に馴染みのない楽器を使って誰もが踊れる良質なダンスチューンを繰り出したのだ。さらに、「PARK」では小出のラップがグルーヴの一部を担い、ファンクとロックの間を華麗に行き来する。後奏で3人のプレイがバーストする様子は、手に汗を握るほどの熱さだった。

「ロックはノールール。型にはまった瞬間、ロックじゃなくなる」とロック論を説いたあと、小出は「ヒップホップマナーにのっとってやらせてもらいます」と宣言し、「The Cut」へ。穏やかなギターロックで始まったはずだったのに、いつの間にか実験精神たっぷりな黒いグルーヴで場内は満たされていた。一寸先は何?ってぐらい先が読めない。だが、これが楽しい。最後は堀之内のカウントとともに「LOVE MATHEMATICS」を叩き込んだ。たった40分の間に繰り広げられためくるめく超展開。バンドとしては17歳のBase Ball Bearは今まさに思春期真っただ中。抑えきれない衝動にバンドが身を任せた結果、我々は素敵な音楽体験を堪能することができたのだった。


Photo by Megumi Suzuki

SET LIST

1. ドラマチック
2. ポラリス
3. Flame
4. Transfer Girl
5. PARK
6. The Cut
7. LOVE MATHEMATICS

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