子どもが親にストリーミングを教える時代へ 米ラジオ業界の危機

Edison社の調査結果は、このようなシナジー効果の裏付けとなるだろうか?「私はもう何年も、自動車のテクノロジーが進化するまでは人々はこの先もラジオを聞き続けるだろうと言ってきました。カーラジオはボタンひとつ押すだけですからね――余計な手間がかかりません」とラゾヴィック氏。「ですが、10代の子供たちと話してみて分かったのは、彼らにとってはスマートフォンでひと手間かかるほうが、ラジオで音楽を聴くよりも楽なんだそうです」 ティーンのほぼ半数が、ラジオをいじるよりも携帯を使うほうが簡単だと回答している。

Edison社では、FMラジオの魅力を若者にアピールするために、2つの対策を提案している。「ラジオ局はティーンエイジャーをターゲットにしていません。ラジオの使い方も教えてはくれません」とラゾヴィック氏は言う。それゆえ、「若者はラジオの価値を知らずにいるのでしょう」とアイヴィー氏も付け加えた。「プレゼンテーションの後、22歳の参加者が立ち上がってこう言いました。『ストリーミングサービスでは山のような広告が流れているのに、ラジオのCMはひとつもありません。どうやって地元のラジオ局の情報を手に入れればいいのでしょう?』

もうひとつの対策は、親に対して向けられている。「カントリーミュージックを聞くティーンの60%が、自分の親がカントリーを聞くように勧めてくれたと答えています―ー親が音楽の嗜好にいくらか影響を与えているのです」とアイヴィー氏は言う。つまり、子どもたちがストリーミングの有料会員に登録するよう訴えるように、親のほうもラジオの伝道師になればよい。

Spotifyは比較的最近現れた脅威だが、ラジオを愛する親世代には昔からの大きな課題が残っている。自分の好きな音楽を子どもにも気に入ってもらえるよう、説き伏せなくてはならない。

Translated by Akiko Kato

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