子どもが親にストリーミングを教える時代へ 米ラジオ業界の危機

「Spotifyが人生を変えてくれるよと言われました」と、親世代は語る(Jenny Kane/AP/REX/Shutterstock)

米国リサーチ会社の調査結果によると、25~54歳の成人のうち、10代の子どもを持つ親はとくにストリーミングを利用していることが判明した。FMラジオのコアリスナー層の高齢化もさることながら、子ども世代が父親や母親にSpotifyを広めることで、ラジオの基盤が脅かされつつあるという。

留守番メッセージを残すとかTVで野球中継を見るというのと同じように、ラジオを聴くことは高い年齢層の間で好まれる。調査会社Edison Research社によると、子どもを持つ親の70%が「FMラジオは自分たちの世代に向いている」という設問にイエスと答えた。同じ設問にイエスと答えた10代の若者は34%にとどまった。

だがラジオ嫌いのティーンは、自分の親がミニバンのカーラジオのプリセットをいじくるのも気に入らないらしい。そこで10代の若者はまんまと親をそそのかし、最新テクノロジーや音楽ストリーミングを使ってみるよう勧めている。

これが、最近米国で行われたカントリーラジオ・セミナーで行われたプレゼンテーションのあらましだ。このイベントでは、毎年カントリーラジオ界の精鋭が集まって業界の動向を話し合う。Edison Research社の調査では、10代の子どもを持つ親で24時間以内にストリーミングしたと答えた数は、そうでない親よりも20%多かったことが判明した。

「親世代はいまもラジオを聞いています。もちろん子どもたちもです」というのはローラ・アイヴィー氏。メーガン・ラゾヴィック氏とラリー・ロージン氏と共同でEdison Research社の調査を担当した。「ですが、ティーンに好まれる音楽体験は、70%近くがスマートフォンなんです。そして今では10代の子供を持つ親の間でも、FMラジオと同じくらいスマートフォンが大活躍しています」

アイヴィー氏とラゾヴィック氏が行った調査発表では、親たちが少しずつストリーミング技術を受け入れていった体験談を自ら語った。「(ラジオを聞く代わりに)携帯に接続したいとき、AUXケーブルとかそういうことは子どもたちが教えてくれました」と、とある母親は調査員に語った。別の母親は、自分の子供から「Spotifyが人生を変えてくれるよと言われました。たしかにそうでしたね」

意外に思えるかもしれないが、最近では親と10代の子どもが一緒に音楽を聴くようになってきている。昔は必ずしもそうではなかった。「弊社の社長のラリーはよく言うんですが、彼の母親は、彼が聞いていたロックを音楽だとは認めなかったそうです」とラゾヴィック氏。「親は音楽にまったく共感できなかった。それが最近では、世代的にまるきり変わったようです。親と10代の子どもが音楽を通して通じ合えるようになっているようなのです」

Translated by Akiko Kato

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