DOWNLOAD JAPANを総括「進化するジューダス、スレイヤーとの別れ、狂乱のゴースト」

DOWNLOAD JAPAN 2019に出演した、スレイヤーのトム・アラヤ(© DOWNLOAD JAPAN All Rights Reserved)

DOWNLOAD JAPAN 2019が、さる3月21日に幕張メッセ国際展示場9~11で開催された。Rolling Stone Japanでも大々的に特集してきた同フェスの模様を、音楽ライターの荒金良介によるレポートで振り返る。

日本に初上陸したDOWNLOAD JAPAN 2019は蓋を開けてみると、2万人(!)が押し寄せるソールドアウト状態となった。会場の内外には英メタル・フェス『DOWNLOAD FESTIVAL』のマスコットである「ダウンロードドッグ」の巨大頭部が設置され、そこで記念撮影(ドッグの口に中に入ったり)をする人たちを多く見かけ、本フェスを楽しんでいる様子だった。今回は「BLOOD STAGE」「TEARS STAGE」の2ステージ制となり、対面形式で交互にライブは展開されていく。空き時間は約10分前後なので、実際のところは「休憩がない!」と嬉しい悲鳴を上げたくなる過密スケジュールとなったが、最上級のパフォーマンスの連続に疲れも吹き飛んでしまった。

午前10時半にトップバッターで登場したのはニュージーランド発のライク・ア・ストームだ。初来日となった4人組の彼らは欧米でも人気を博しており、ハードロックを基盤にモダンなヘヴィさも取り入れた音楽が特徴的。しかもV字型になった4本のディジュリドゥ(アボリジニの楽器)をステージに持ち込み、深淵な音色でも惹き付ける。またフロント3人が歌えるのも強味で、曲によってリード・ヴォーカルを使い分ける器用さにも驚いた。




ライク・ア・ストーム(© DOWNLOAD JAPAN All Rights Reserved)

次はエリーゼ(Vo)、ニルス(Vo)、ヘンリク(Vo)と専任ヴォーカル3人を擁するアマランスが姿を現す。ポップ性抜群のエレクトロと重心の低い屈強なメタルコアによるサンドイッチ攻撃により、フロアを縦横に揺さぶってくる。何よりフィジカルに訴える享楽性に富む音像に笑顔で踊る人たちが溢れていた。




アマランス(© DOWNLOAD JAPAN All Rights Reserved)

それから「DOWNLOAD FESTIVAL 2015」に引き続き、日本人バンドで唯一出演したMAN WITH A MISSION。4年前にイギリスで観た際もアウェイを覆すミクスチャー・サウンドで現地のオーディエンスを熱狂させていたが、この日も幕張の隅々まで激しく焚き付ける剛腕ぶりを発揮。




MAN WITH A MISSION(© DOWNLOAD JAPAN All Rights Reserved)

土煙を巻き上げる豪快なハードロックを鳴らしたのはヘイルストームである。序盤からリジー姉さんは振り絞るような激情ヴォーカルで吠えまくる。聴いているだけで背筋がビシッと伸びるド迫力の歌唱力は音源と変わらぬ素晴らしさであった。リジー姉さんの実弟・エアジェイ(Dr)が「イチ、ニ、サン、シ!」とカウントすると、3曲目にこのバンドの曲名から取ったLOVEBITESのasami(Vo)がなんと飛び入り参加。「Love Bites(So Do I)」で日米ヴォーカル対決が実現し、これには会場も沸き上がった。




ヘイルストーム(© DOWNLOAD JAPAN All Rights Reserved)

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