買春容疑の億万長者捜査で注目された、元スパオーナー女性とトランプの関係

フロリダ州ジュピターにあるジ・オーキッズ・オブ・エイジア・デイ・スパ。(Photo by CRISTOBAL HERRERA/Shutterstock)

本年度のNFL王者ニューイングランド・ペイトリオッツのオーナーでもある、ロバート・クラフトのセックススキャンダルで捜査中のフロリダ州にあるスパで、新たな疑惑が浮上した。元オーナーの中国人女性が、中国ビジネス界とトランプ大統領をつなぐ窓口として動いているのではないか?という疑いが注目されている。本件のインタビューに対し、「アメリカを愛している。大統領を愛している。悪いことなど一切していない」と、元オーナーは弁明している。

フロリダ州ジュピターにあるオーキッズ・オブ・エイジア・デイ・スパの元オーナーのリー・“シンディ”・ヤンには数々の顔がある。そのいくつが、起業家、トランプ支持者、“人には言えないあんなことやこんなこと”の愛好者だろう。しかし、NBCのニュース番組「ナイトリー・ニュース」の取材で、インタビュー時に強調したというのだが、彼女は外国政府の代理人ではない。

このインタビューの最中に彼女は、民主党上下両院の情報委員会と司法委員会がヤンを中国政府の代わりに働く外国代理人とするすべての嫌疑を否定し、自分の人種と政治的傾向が原因でターゲットにされただけだと反論した。

「私は中国人で、共和党員だ」と、ヤンはNBCのニュース番組「ナイトリー・ニュース」のレスター・ホルトに言った。「民主党が私を調査したい理由はそれだ」と。

ヤンが初めてニュースのヘッドラインに登場したのは、オーキッド・オブ・エイジア・スパ・デイの元オーナーとしてだった。フロリダ州で性的目的の人身売買の一斉摘発を行ったときに、名前があがった一握りのスパとマッサージパーラーの一つがこのオーキッド・オブ・エイジア・スパ・デイだ。そして、この摘発で逮捕された同スパの顧客の一人がロバート・クラフトである。ニューイングランド・ペイトリオッツのオーナーであるクラフトは現在、2件の売春教唆の嫌疑をかけられている。

ヤンは7年前に同スパを売却しており、現在は一切の関わりがないことを断言している。「(現オーナーのホア・ジャンに)2012年か2013年に売った。彼らがどんなビジネスをしていても私とは一切関係ない」と、ヤンはきっぱりと言った。ちなみに、この性的目的の人身売買の捜査に関して、ヤンは一切嫌疑をかけられていない。

しかし3月初めに、ヤンがトランプ陣営とつながりがあったこと、さらにトランプ陣営に選挙支援として1万ドル(約110万円)を寄付したことをマイアミ・ヘラルド紙が報じたため、ヤンはメディアの注目を集めることになった。また、彼女自身もFacebookにトランプ大統領やその側近たちと一緒に写った自撮り写真を投稿していた。これはフロリダにあるトランプ所有のゴルフリゾートの一つで行われたスーパーボウルのパーティー会場で撮られた写真だ。

3月15日、民主党はヤンの会社GYインベストメンツの捜査を依頼する文書をFBIに送った。中国ビジネス界とトランプ大統領をつなぐ窓口として、ヤンが自身の会社を利用していると民主党は疑っている。GYインベストメンツのウェブサイトでは「大統領、(アメリカ合衆国)商務省、その他の有力政治家との対話・交流の可能性」を約束している(現在は削除された)。

「ヤンさんの活動が政治家とのコネを販売して利益を得る質の悪い俳優の行動と同じようなものであっても、彼女の活動自体は、脅迫や悪質な不正目的を持った敵対する政府やその代理人たちが、当該政治家たちと接触することを促すものである」と、FBIに送った民主党の捜査依頼に記されている。

ホルトとのインタビューでヤンはすべての疑惑を否定し、中国政府とのつながりは一切ないと強調した。そして「アメリカを愛している。大統領を愛している。悪いことなど一切していない」と述べた。

Translated by Miki Nakayama

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