英グラストンベリー・フェスティバルが目指す、プラスチック製品ゼロ革命

今年、使い捨てプラスチックボトルの販売を禁止するという、最大規模のフェス「グラストンベリー」(Photo by Mark Large/REX/Shutterstock)


しかし、すべてのフェスティバルが環境保全に意識を向けているわけではなく、使い捨てボトルの販売は相変わらずゴミの量を増やしている。実際、2017年のグラストンベリーだけで1300万のプラスチックボトルが売られた(2018年は開催中止)。オレゴン州ポートランド郊外で開催されるピカソン、ニューヨーク州北部のボーダーランド、カリフォルニア州レイトンビルのケイト・ウルフ・フェスティバルなどの小規模フェスティバルでは、すでに使い捨てプラスチックボトルの販売は禁止されている。しかし、グラストンベリーは同等規模のフェスティバルの中で、初めてこのチャレンジに挑むことになる。

ローラパルーザやオースティン・シティ・リミッツを運営するC3プレゼンツ社の上級ゲストサービスマネジャーのファリド・モシャーが次のよう説明する。「会場内のプラスチックの使用量を削減する努力を続けるつもりだ。プラスチックボトルだけではなく、プラスチック製カップや売店・レストランで使用するプラスチック製品など、すべてのプラスチック製品を削減し、再利用可能でコンポスト可能な製品の推奨を見据えている。コンポストする量の増加でも、給水ステーションの増設でも、こういった環境保護努力が廃棄物転換率を上げることにつながっていると、ここ数年実施してきて気づいた」

ボナルーの環境保全ディレクターであるローラ・ソーンは、グラストンベリーの発表に大きな関心を寄せており、ボナルーもすぐに追随したいとローリングストーン誌に語ってくれた。「大胆な変革を起こす人が一人でも、または団体が一つでも出てくると、それが大きな転機となる。そのあと世間は使い捨て水ボトルの販売を容認しなくなるはず。ボナルーはまだその域に達していない。グラストンベリーが実行するのだから、私たちもこの件についての話し合いを始められるし、私個人としてはとても興奮している」

ボナルーのリフィル・レボリューションに協力しているプラスチック・ポリューション・コーリション(プラスチック公害連合の意)の共同設立者でCEOのダイアナ・コーエンも、グラストンベリーが敢行する使い捨てプラスチック製品の排除は大きな可能性を秘めている、とコメントした。これには、楽屋と会場にいる大勢の人たちに十分な水を提供する方法について事前に綿密な調査を行う必要があるが、基本的にプラスチック製品ゼロ環境のインフラを整備することはそれほど難しくないと、コーエンが付け加える。

「(プラスチック製品の有無にかかわらず)同量の水や水分を会場まで運んで人々に提供するわけで、個別にボトルに入れて提供するか、リフィルできる方法で提供するかの違いだけだ」とコーエン。

物資の運搬が二酸化炭素排出量を増加させる最大の原因という点を考えると、多数のふた付きの巨大ピッチャーに水を入れてトラックで運搬して会場の貯水タンクに給水することは100%満足できる解決策ではないにしても、プラスチック製品ゼロ環境を実現する一つの方法といえる。使い捨てプラスチックボトルを部分的に禁止しているフェスティバルはすでにいくつかある。グラストンベリーもワーシー・ファーム・エリアにいくつもの貯水タンクを設置しているのだが、このタンクは最大容量が80万リットルで、水を提供するブリストル・ウォーターがパイプラインを経由してタンクに投入している。

ボナルーは強力なインフラを整備している。テネシー州マンチェスターにある私有地で開催することもあり、会場内にある複数の井戸から汲み上げた水でリフィルステーションに給水しているのだ。しかしロラパルーザやオースティン・シティ・リミッツのような都会型のフェスティバルの場合は、会場の貯水タンクの供給源は開催地の都市の水道となるだろう。

Translated by Miki Nakayama

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