もしもGoogleが世界最大の音楽企業を買収したら?

ユニバーサル ミュージック グループ(UMG)の会長兼CEOサー・ルシアン・グレンジ(写真左)とJ Balvin(カリフォルニア州ロサンゼルス 2019年2月9日) Lester Cohen/Getty Images for Universal Music Group

ユニバーサル ミュージック グループが株式の約半数を売りに出している。もしもGoogleが買収するとなれば、その行く末がとても気になるところだ。

それは、ここ数十年の音楽業界で最もホットな話題だったろう。

2016年、Googleがソニー/ATVミュージックパブリッシングの株式の50%をマイケル・ジャクソン遺産管理財団(MJ財団)から買い取ろうとしていることが発覚した。結局株式は、ソニー株式会社が7億5000万ドル(約836億円)で保有することとなったが、もしかしたら世界第4位の規模を誇るGoogle(現Alphabet)が、数十年分に及ぶ数々のヒット曲を含む200万曲を超える楽曲の著作権を手にすることになっていたかもしれない。

「MJ財団の持ち分をソニー/ATVへ売却する際、Googleとも話し合いを持っていた」と米国の売れっ子弁護士ジョエル・カッツが、2016年夏に行われた音楽ビジネスカンファレンスMidemで明らかにした。「Googleがあのような大手パブリッシング企業の株式の過半数を取得していたら、とても面白いことになっていたと思う。そして各レコード会社との交渉では“おい、俺たちはお前らにライセンスの使用権を許可しなくてもいいんだぞ”ということになっていただろう。」

ソニー/ATVの業界における強大な影響力についてカッツは、同社は実質的に、管理する全ての楽曲やアルバムの著作権の使用に対する拒否権を行使する力を持っていると表現した。つまりもしもGoogleがソニー/ATVを買収していたら、Googleが音楽ビジネスの大半をコントロールする力を得ていたことになる。さらに主要レコード会社に対し、多くの大ヒット曲をいつ・どこで利用するかをいつでも指示できる立場になっていただろう。

今、音楽業界では、フランスのメディア帝国ヴィヴェンディ傘下にあるユニバーサル ミュージック グループ(UMG)の株式50%の行方に注目が集まっている。パリを拠点とする多国籍企業のヴィヴェンディは、UMG株式の半数を売却する手続きに入っている。UMGは世界最大の音楽カタログを有する世界第2位のパブリッシング企業だ。ここで再び、売却先の有力候補としてGoogleが浮上した。そのほか、Tencent、Alibaba、Liberty Media、Apple、Verizon等の名前も挙がっている。

Translated by Smokva Tokyo

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