米ニューアークにて約85億円相当のコカインを押収、過去25年で最大

末端価格で総額7700万ドル(約85億7400万円)相当のコカインが押収された(Photo by U.S. Customs and Border Protection/AP)

米ニュージャージー州ニューアークで過去25年間で最大量のコカインを押収した。押収されたコカインの末端価格の総額は7700万ドル(約85億7400万円)に上る。

ニューヨーク市警本部、ニューヨーク州警察、多数の関係機関との合同捜査を実施していたアメリカ合衆国税関・国境警備局は、2月下旬にポート・オブ・ニューアークおよびニューヨークで約3200ポンド(約1.4トン)のコカインを押収した。その末端価格は7700万ドル(約85億7400万円)と推定される。

これはポート・オブ・ニューアークおよびニューヨークで実行された麻薬取締の中で史上2番目に大きな手入れと報じられており、過去25年間では最大の押収量である。税関・国境警備局のプレスリリースによると、過去25年間で押収されたコカインの総重量は6600ポンド(約3000キログラム)という。税関・国境警備局の報道官はコカインが入った輸送用コンテナは南アフリカから到着した船舶で見つかったと述べた。

そもそも当局がこの捜査に着手したきっかけは、60個の小包で満杯の怪しげな外観の輸送用コンテナが合衆国に入国したことだった。この小包には白い粉状の物質が入っており、検査の結果コカインと発覚した。

同局のプレスリリースでは、この麻薬捜査をコカインにフェンタニルを混ぜる麻薬ディーラーの逮捕と関連付けているが、コカイン供給プロセスの最初の段階でフェンタニル混合コカインが作られるか、常用者がコカインをカミソリで細かくしている最中に偶然フェンタニルが混ざるかのどちらかだと、ドラッグの専門家たちは言う。つまり、麻薬ディーラーのほとんどは自分が売っている商品にフェンタニルが混じっていることなど知らないと言うのである。しかし、状況は悪化の一途をたどっており、定期刊行物JAMA Psychiatryの調査では、 2016年にフェンタニル絡みの過剰摂取で命を落とした死亡者の22%にコカイン使用が認められた。

「90年代にニューヨークの元凶だったコカインが戻ってきた。麻薬密売人たちはコカインとフェンタニルの混合物を常用する顧客を新たに開拓している」と、米国麻薬取締局の特別担当捜査官レイ・ドノヴァンが同局のプレスリリースで指摘している。「今回の記録破りの押収量が新たな脅威の存在に人々の耳目を集め、違法ドラッグが末端のユーザーの手に入る前に、国内の法執行機関が連携して捜査・押収を実行していることも知らしめることとなった」と。

Translated by Miki Nakayama

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