追悼ルーク・ペリー『ビバリーヒルズ高校白書』92年の出演者インタビューを回想

『ビバリーヒルズ高校/青春白書』に出演したイアン・ジーリング、トリ・スペリング、ブライアン・オースティン・グリーン、ガブリエル・カーテリス、ジェイソン・プリーストリー、シャナン・ドハーティー、ルーク・ペリー 『ビバリーヒルズ高校/青春白書』1990 – 2000年、スペリング・テレビジョン(Spelling/Kobal/REX/Shutterstock)


ティーンエイジャーにまつわる何か、というアイデアを持って1990年にFOXテレビに入社した時、スター氏はシナリオライターだった。当時局長を務めていたバリー・ディラー氏は、ビバリーヒルズ高校を舞台としたシリーズ物をすでに思い描いていた。そしてビバヒルの権利は当時怒涛の勢いで『ラブ・ボート』や『ダイナスティ』などのゴールデンタイム向け番組を制作していたプロデューサーのアーロン・スペリング氏に売却された。スペリング氏は当初、あまり気が進まないようだった。「最初のリアクションは『なんで俺なんだよ?』だった」と白髪のスペリング氏は言った。「若者向けの番組なんて『モッズ特捜隊』以来やってなかったのに」

しかし、スペリング氏は直ちにこの計画を温めはじめ、18歳の娘トリがドナ役に配役されると、ビバヒルは家族ぐるみのプロジェクトとなった(トリはトリア・ミッチェルという偽名を使ってビバヒルのパイロット版『双子の兄妹は転校生』のオーディションを受け、監督本人も「まったくの無名俳優だと思っていた」そうだ)。『Nightingales』や『チャーリーズ・エンジェル』の生みの親でもあるスペリング氏は娘が露出の高い衣装でテレビ画面に登場するたび、見えないように椅子の位置をずらした。「世界最小かってくらい小さいビキニをいつも着けていた」とスペリング氏は言った。「プロデューサーとしては構わないが、父親としてはちょっと……人魚の衣装には本当にヒヤッとさせられたよ」

パイロット版では、ミネソタ州出身の健全なウォルシュ家が父親の転職によってビバリーヒルズに引っ越してくる。堕落の象徴のような南カリフォルニアの文化は魅惑的であると同時に双子のブレンダとブランドン(ドハーティーとプリーストリー)には馴染みのないものだった。架空のウエスト・ビバリーヒルズ高校での初登校の後、2人は豪邸で開催された淫らだけど最高のケータリングを手配したハイスクールパーティーに参加する。ブランドンとブリュネット(ダークブラウンの髪)のわがまま女が危うくジャグジーのなかでことに及びそうになる場面で、ブランドンのアメリカ中西部的な気質が彼を平常心に戻す。一方、ブレンダは魅力的だけどやたらごまをする弁護士と関係を持ちそうになる。そんな2人を前に両親は混乱を隠せない。「ミネソタではこんな厚化粧じゃなかったのに」とウォルシュ母は言った。

「(90210というビバリーヒルズの)ジップコードにありがちなステレオタイプとお決まりのキャラクター」とロサンゼルス・タイムズ紙のテレビ番組評論家ハワード・ローゼンバーグ氏は記した。バイロット版放送の翌年にはビバヒルがAIDS、デートレイプ、コンドーム、癌、ティーンエイジャーの妊娠、身体障害者、さらにはホロコーストなどの主題を扱い、ジハード級の絶大なフォロワーを獲得するなんて誰が想像しただろう。パイロット版の話題になると、ジェニー・ガースは「そんなのもう忘れてよ」と言った。ガースは裕福でわがままなブロンドのケリー・テイラーを演じた。ケリーと言えば、受けたばかりの鼻の整形手術を自慢しながら登場し、ブレンダに「いつもどこかでプールパーティーがあるから、暴飲暴食なんてできないわよ」と警告する人物だ。「ケリーが大嫌いだった」とガースは言った。「あまりに薄っぺらい人物だったから。でもそれ以来、ドラマは飛躍的に変わった」

パイロット版が放送されると、米CBSの『たどりつけばアラスカ』を手がけ、実際にも1970年にビバリーヒルズ高校を卒業したチャールズ・ロージン氏がビバヒルのエグゼクティブ・プロデューサーに就任した。ロージン氏はドラマを「人間のありように対してもう少し共感できるもの」にできると思ったのだ。こうして脚本はますますテーマの幅を広げていった。ビバリーヒルズという場所に不釣り合いなウォルシュ家のストーリーだけでは限界があったし(『じゃじゃ馬億万長者』から『ベルエアのフレッシュ・プリンス』にいたるまで、スイミングプールにまつわるジョークはあまりに使い古されてきたのも事実だ)、今までどのティーン向け番組も扱ってこなかったテーマがたくさんあった。「問題、という言葉は一切使わなかった」とアーロン・スペリング氏は言った。「でも、他のティーン向け番組のようにティーンエイジャーであることの楽しさだけを描くのではなく、ティーンの問題に目を向けようとした」

Translated by Shoko Natori

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