物議を醸している新作ドキュメンタリー、家族が語るマイケル・ジャクソンの真実

「私たちが家族としてマイケルをよく知り、愛しているのと同じように、マイケル・ジャクソンを敬愛する人々、彼を知る人々はあの内容は信じない。あれは金儲けのためだけに作られた。その程度のものだ」と、マーロン・ジャクソンが言う。マーロン(上記写真の左から2番目)、ジャッキー・ジャクソン(右から2番目)、ティト・ジャクソン(右端)、ティトの息子タージ(左端)(Chris Pizzello/Invision/AP/REX/Shutterstock)


―そうは言っても、当時あなたたちが気づかなかった何かが起きていた可能性はありますか?

タージ:マイケル・ジャクソンは、全世界が最も長い間観察し続けた顕微鏡並の細さで丹念に調査された人間だよ。

ジャッキー:弟をよく知っているが、彼はそんな人間じゃない。

ティト:これも裁判になった。訴因は12あったと思ったな。マイケルは基本的に……彼を表すときにいつも「普通じゃない」という言葉を使っているんだが、彼の心はとにかく純粋だった。20〜22の頃の私は、地元のバーで友だちと一緒にビールを飲むことができ、友だちとおしゃべりし、夜更かししたり、ビリヤードをしたり、女の子に声を掛けることができたけど、内心それを申し訳なく思っていた。だってマイケルには一度もそんな経験は許されなかったから。子供の頃からそういう経験は一度もなかったんだ。野球をしたこともなかった。家族が住んでいたヘイヴェンハースト通りの自宅で、私たちは将来のビジネスプランなどを話し合うためにマイケルを捕まえた。ミーティング中に私やジャッキーの子どもたちの面倒を見させるためにね。実際、マイケルは子守りで忙しく走り回っていたよ。私たちはとにかく、スタジオに入って仕事の話をしたかった。でも、子守りはマイケルにとっては楽しいことだったのさ。だって彼は子供時代に子供と遊んだことがなかったから。
子供時代に子供でいられない生活を想像できるかい? 子供なのにモータウンで仕事をしたり、エド・サリヴァン・ショーやキャロル・バーネット・ショーに出演したり、ローリングストーン誌の取材を受けなきゃいけない生活だ。私たちは毎日そんな仕事をしていたわけだ。だからマイケルの人生は……私たちの生活は学校に行き、放課後は運転手が迎えに来てモータウンのスタジオに直行するという生活だった。そんな生活が3〜4年続いたんだよ。それこそ毎日1曲ずつレコーディングするという状態だった。

マーロン:そして、マイケルは他のエンターテイナーには不可能な高みまで一気に駆け上ってしまった。彼は町中をうろつくことなど不可能だった。だから外出して普通の人の感覚を味わうために、彼は変装したものだよ。エンシノにあるウエアハウス・レコーズにいたことがあった。子どもたち2人と偶然ウエアハウスで探しものをしていたら、レコードを山ほど抱えた男を見かけたんだ。アフロヘアで出っ歯の男で、店内をウロウロしていた。そして、その男がレジで支払いをするとき、私は彼の背後で「マイケル、ここで何をしているんだ?」と聞いたんだ。マイケルは「マール、どうして僕だってわかったの?」と聞き返したよ。「お前の兄ちゃんだぜ。弟の歩き方に気づかないと思うか?」って答えたよ。

―このドキュメンタリーはもうすぐ公開されますが、このドキュメンタリーがさらなる告訴を誘発する可能性があると思いますか?

タージ:20年間もやり続けていることだよ。1993年の訴訟のときの地方検事は告発する証人を探していた。彼らは今でも精力的に活動しているよ。だから、今回の一件は僕たちにとって馴染みのあることでもある。20年間に渡る捜査、10年間に渡るFBIの捜査、300ページに渡るFBI記録をやり過ごすことのできる人間が何人いると思う? 無罪なのに。

マーロン:覚えていてほしいのが、ディレクターも、ウェイド・ロブソンも、セーフチャック氏も、このドキュメンタリーの主張を裏付けする証拠が全くないということだ。証拠ゼロなんだよ。そんなことに時間をかけるなら、私に話を聞くことだってできたはずだ。私だけじゃなくて、家族やマイケルの友人たちにもね。

―この告訴の中には、あなたが実際にその場にいなかったケースもありますよね?

タージ:でも僕もあの場にいたよ。ウェイドと叔父が交流している姿を見ていたし、彼が証言したときもその場で見ていた。ウェイドが婚約者を叔父に紹介しているのも見た。それに加えて、僕も子供の頃に性的虐待を受けた被害者だから、それがどんなことなのかを知っている。虐待していたのは母方のチャック叔父さんだった。当時の僕は10歳になる前で、虐待を受けていたのは僕だけじゃなくて、他の兄弟もそうだったのさ。そんな経験があるから、状況がよく分かっている。それこそ、夫から暴力を受けている妻が他のDV被害妻の状況がよく分かるのと同じさ。彼らがたとえ否定しても、その事実に気づくし、勘づくんだ。僕は叔父さんとウェイドの交流を見ながら、ウェイドが持ってきた短編映画を映すためにビデオデッキをつなげていた。ウェイドは叔父にその映画を見せるのでご満悦だった。彼の奥さんのアマンダを叔父に紹介したときも同じくらい誇らしげだったよ。そういう事実が細かく検証されないことが腑に落ちない。叔父が存命中は叔父のおかげでウェイドは利益を得ていたけど、現在のウェイドは金欠の子持ちで、とにかく金を作る必要があるんだ。

―大勢が見ることになると思いますが、このドキュメンタリーが世間に与えるインパクトはどんなものだと思いますか?

マーロン: 私たちが家族としてマイケルをよく知り、愛しているのと同じように、マイケル・ジャクソンを敬愛する人々、彼を知る人々はあの内容は信じないよ。あれは金儲けのためだけに作られたし、その程度のものだ。



Translated by Miki Nakayama

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