『ビバリーヒルズ高校白書』ディラン役ルーク・ペリーが脳卒中の合併症で逝去、享年52歳

ハリウッドという世界は、イメージが定着した役者には同じ役を与え続ける場所だ。とりわけ、キャリアのスタートに過ぎなかったディランという若者を演じてペリーほど有名になった人物にとってはその傾向が強かった。年を重ねるごとにペリーは芸能界が彼に押し付けようとした殻を打ち破るため、できる限りの努力をした。米HBOの初ドラマ『OZ /オズ』では投獄されたテレビ宣教師としてすばらしい演技を披露し、暴力的な番組で事実上2回殺される唯一の登場人物となった。アニメ『ザ・シンプソンズ』ではスタントで重傷を負ったクラスティの腹違いの兄弟の声優を務め(「僕の顔! 僕の大事な顔が!!」と叫ぶセリフが有名)、セレブリティーのなかでも早々に同作で風刺の対象となった。ドラマチックな役を与えられると全力で取り組み、時にはイメージに反する役も進んで引き受けた(テレビドラマ『John From Cincinnati』でのタレントスカウトなど)。でも、いつもそうとは限らなかった。ここ最近、ペリーはビバヒルの作者たちが夢見ることさえできなかったほどクレージーな学園ドラマ『リバーデイル』の主人公アーチー・アンドリューの父フレッド役を演じていた。何もペリーはウィンクしながらフレッド役を演じたわけではない。そこには、アーチーと同い年だった頃には同じくらいワイルドなことを経験した、とはっきり感じさせるものがあった。

俳優としてのキャリア通じて、ペリーは自身の知名度と特定の世代からの人気を快く受け止めていたようだ。最新のリバイバル計画には関わっていなかったが、きっと『リバーデイル』の仕事で忙しかったからだろう。それに、超特別ゲストとしてウィンクをキメながらもみあげについてジョークを交わすペリーの姿を想像するのはなかなか難しい。ウエスト・ビバリーヒルズ高校の1993年のクラスが卒業してから長い月日が経った今、そこにペリーが参加したり、仕事の後に顔を出したりすることはもうないのだ。

後からだから言えることだが、24歳という年齢はティーネイジャーを演じるには決して歳をとり過ぎているわけではない。でも、52歳でルーク・ペリーがこの世を去るのはあまりにはやすぎる。

Translated by Shoko Natori

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