Spotifyのインド進出を巡り、ワーナー・ミュージックがストップ

ワーナーとSpotifyがインド市場を巡って争っている(Picturematt/REX/Shutterstock )

Spotifyのインド進出をめぐって、Spotifyとワーナー・ミュージック・グループが公然と対立している。相手の言い分は間違いだと非難の応酬だ。

Spotifyは何としてでもインド進出を切望している。ストリーミングサービス会社はこの1年間ムンバイのオフィスの人員を増強し、ここ何か月間ささやかれていた噂を一掃し、ついに最近webサイトに近況報告を掲載し、1月31日に13億人の新規顧客層に向けたサービスを開始する予定であると発表した。だが、約束の日が過ぎて、いま新たな障害があらわれた。世界第3位のレコード会社、ワーナー・ミュージック・グループが訴訟を起こし、彼らのインド進出を阻みにかかったのだ。

ブルームバーグが月曜に報じたところによれば、ワーナーはムンバイの裁判所にSpotifyのインド進出差し止め請求を提出。Spotifyがライセンス契約の交渉で「突如方向を転換したため」、ワーナー側は「やむを得ず」同社のインド進出を阻止するべく法的手段に訴えざるをえなかった、と主張している。問題となっているのは、Spotifyが、すでにほかの大手2社、ユニバーサルおよびソニーとは契約を締結済みだが、ワーナー所有の楽曲のライセンスをいまだ取得していないこと、さらに作曲権に対して法定使用許諾(自動的に付与されるライセンスで、通常はTV局やラジオ局によって用いられる)を適用しようとしたことだ。ワーナーの主張によれば、Spotifyは法定使用許諾を「不当に主張してきた」という。だがSpotifyの言い分によれば、「契約違反行為」をしているのはワーナーであり、ワーナーは「Spotifyのインド進出とはまったく無関係の理由で、すでに合意済みの出版ライセンス契約を無効にした」と主張している。

両社の確執はさらに悪化する。Spotifyは月曜午後、ムンバイの裁判所がワーナーの差し止め請求を棄却したと発表。Music Business Worldwideの取材に応じて、「本日の結果に満足している」「ワーナーとは市場レートに基づいて、話し合いで解決したい」とコメントした。すると今度はワーナーが、Spotifyの声明は真っ赤な嘘だとしたうえで、「我々の公正な交渉に関するSpotifyの昨日のコメントには驚かされた」と付け加えた。

Translated by Akiko Kato

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