2度の助演男優賞受賞、マハーシャラ・アリという生き方

リノベーションの一貫で、彼は妻ともう1人のパートナーと共に管理できるよう自宅の一部に自身のプロダクション会社ノー・ワンダー(Know Wonder)の事務所を作っている。(おそらく彼のオスカー像もしまってある箱を見つけ次第、この事務所に来ることになるのだろう。「緩衝材を巻いてどこかにおいてあるよ」と彼は笑いながら言った)

アリの妻は2人が90年代にニューヨーク大学で演劇を学んでいた頃に出会った芸術家だ。(イスラム教指導者の娘で、彼女がアリをイスラム教へと導き、1999年のクリスマスイブにモスクの礼拝に連れて行った)。やがて2人は別れ、何年も連絡を取らなかった。「でも常に頭の片隅にはあった。『彼女こそが運命の人だ』って思って」と彼は言う。2012年の終わりに自分が安定した、いい状況にあると思い、何の前触れもなく彼女にメッセージを送った。2人は再び連絡を取り合い、そして1年も経たないうちに結婚した。

アリは言う、妻は今、彼が一度に何週間、何ヶ月と出る撮影に関してルールを設けていると。「そんなに長く家を空けるからにはつまらない仕事をしてきたらダメ。いい仕事をしてくること」と彼女は言ったそうだ。

アリの妻の話をしていたところで、ちょうど彼女からアリに「帰宅予定時間は何時?」とメッセージが入った。絵を掛けに家に人が来るらしく、アリは帰らないといけないそうだ。携帯電話を取り出したついでに彼は自慢の(可愛らしい)娘の写真を何枚か見せてくれた。そして彼は挨拶をして車の方へと向かった。「バランス」を取るために。

Translated by Takayuki Matsumoto

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