アカデミー賞2019、クイーンとアダム・ランバートによるヒット曲で幕開け

第91回アカデミー賞のオープニングアクトを務めたアダム・ランバートとクイーンのブライアン・メイ(Photo by Kevin Winter/Getty Images)

第91回アカデミー賞は、アダム・ランバートとクイーンのブライアン・メイによる「ウィー・ウィル・ロック・ユー/We Will Rock You」と「伝説のチャンピオン/We Are The Champions」というクイーンのヒット曲で幕開けした。

ボーカルにアダム・ランバートを迎えたクイーンがアカデミー賞授賞式のオープニング・パフォーマンスを行った。今は亡きクイーンの伝説のボーカリスト、フレディ・マーキュリーの人生とレガシーを描いた映画『ボヘミアン・ラプソディ』は、作品賞を含む5部門にノミネートされており、ラミ・マレックが主演男優賞を受賞し、そのほか録音賞、音響編集賞など4冠に輝いた。

同バンドのギタリストであるブライアン・メイが真っ先にステージに登場し、「ウィー・ウィル・ロック・ユー」の印象的なビートをギターで弾き始めた。そこに、マーキュリーの圧巻的なボーカルと完璧なショーマンシップに敬意を払いながらランバートが加わった。「ウィー・ウィル・ロック・ユー」が始まると観客は総立ちになり、演奏が「伝説のチャンピオン/We Are The Champions」へ移ると観客が着席し、今度は左右に腕を振り上げ始めた。そして彼らの演奏が終盤に近づくと、赤いマントを羽織ったフレディ・マーキュリーの動画が背後のスクリーンに大きく映し出されたのである。

2018年11月に公開された『ボヘミアン・ラプソディ』は、完成まで10年近い歳月を要した。もともとはサシャ・バロン・コーエンがマーキュリーを演じることになっていが、今回主演男優賞にノミネートされているラミ・マレックが、2016年にマーキュリー役を引き受けることとなった。しかし2017年にフォックスが監督ブライアン・シンガーを解雇したことにより、監督不在となり、製作自体が頓挫しかけた。ところが製作期間が残り数週間という土壇場でデクスター・フレッチャーが監督として参加し、残りの部分を仕上げたという経緯がこの作品にはある。

騒動はこれだけで収まらず、この作品は公開後にも物議を醸す。全米監督協会の規約に則ってブライアン・シンガーは現在もこの作品の監督としてクレジットされているが、『ボヘミアン・ラプソディ』公開直後、同監督に性的虐待による告発が続き、ジ・アトランティック誌がその詳細を報じた。また作品自体も、マーキュリーのセクシュアリティと私生活の描き方に異論と批判が集まっている。しかしこれらの論争にもかかわらず、『ボヘミアン・ラプソディ』は映画史上最もヒットした伝記映画となった。

Translated by Miki Nakayama

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