ザ・キュアーのロバート・スミス、自身のアルバム14作を振り返る

2001年撮影のロバート・スミス(Photo by Tim Roney/Getty Images)


5.
『Japanese Whispers』
1983年
Japanese Whispers

自身の「陰鬱でカルトなイメージ」を払拭し、『Pornography』の下劣な世界観と決別すべく、スミスはロンドンの気が滅入るような部屋を引き払い、故郷で再び両親と一緒に暮らし始める。スミスとトルハースト以外のメンバーが頻繁に入れ変わるようになったバンドは、思いがけず快活なシングル曲を集めたEPをリリースする。



スミス:かつて1日の大半を過ごしてたその寝室に慣れるまでに、何週間か必要だった。それだけ自分が変わったってことだったんだろうね。そして僕はポップスターになることを決意したんだ(笑)

フィクションの連中に「Let’s Go to Bed」を聴かせた時、彼らは言葉を無くしてた。「こいつ、完全に気が狂っちまったな」と言わんばかりの目で僕を見ながら、彼らはこう言われた。「これは何かの冗談だろ? バンドのファンから総スカンをくらうぞ」彼らの言いたいことはわかったけど、僕はそれまでのイメージを払拭したかったんだ。暗くて陰鬱な世界を抜け出して、元気になるような曲を書きたかった。僕自身こう思ってた、「きっと世間には受け入れてもらえないだろうな。元ゴス系アイドルがたった3枚のアルバムで人生を悟ったような気になって、心機一転ポップスターを目指すことにしたなんて、あまりに胡散臭すぎる」ってね。

思いがけないことに、「Let’s Go to Bed」は大ヒットした。特にアメリカ西海岸で反響が大きくて、バンドは10代の女の子たちを中心とした若いファン層を獲得した。グロテスクでおぞましいゴス系サイコパスばかりだったライブ会場に、真っ白な歯を輝かせる健全な人々が押し寄せるようになったんだ。その変わりぶりには戸惑ったけど、僕は歓迎してた。もはや笑えるレベルだったね。

それから「The Walk」と「The Love Cats」をリリースして、僕はすごく解放感を味わってた。「The Love Cats」はディズニーのジャズ版というか、『おしゃれキャット』をイメージしたんだ。そうこうするうちに、何をやってもヒットするようになっていったんだよ。






※Spotifyはこちら

Translated by Masaaki Yoshida

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