ONE OK ROCKのTakaが語る新境地「プロダクションの緻密さと振り切った分かりやすさ」

ONE OK ROCK(Courtesy of A-Sketch)



ー今作もアメリカ・レコーディングだったんですよね。

あとイギリスでもやりましたね。LAとイギリスです。『Ambitions』のワールド・ツアーが始まったのと同じタイミングで作り始めてはいたんです。でも、あのツアーは1年くらい回って100本くらいやったツアーで、なかなか時間が取れなくて。だから実際の日数でいうと1年もかかっていないんですけど、ツアーをやりながらアルバムを作るとなると、どうしてもそのくらい時間がかかってしまうんですよね。そこが自分的には苦しいところなんですけど。今回はフュエルド・バイ・ラーメンのA&Rの人間と密に話しながら……彼にほとんどプロデューサーみたいな立場で関わってもらって、レコーディングを進めていったんです。それで……40曲、50曲くらいデモを作ったんですけど、その中から吟味して、皆でディスカッションしながら、僕の意見も当然入れながら、最終的にアルバムの曲数に絞られたって感じですね。

ー今作は前作にも増してすごいプロデューサー陣、共作陣が揃っていますけど、この人選は誰がどうやって決めたんですか?

今回はピート(A&R)の意見を100パーセント取り入れて、「このプロデューサーとやったほうがいいよ」、「わかった」って(笑)。そうやって毎日違うプロデューサーとセッションをしていって。その中で僕らと合う人とやりました。中には僕が提案した人も3、4人いるんですけど、意外と、シングルは僕がやりたいと思ったプロデューサーとやった曲が多いんじゃないかな。「Stand Out Fit In」は別なんですけど。

ーあの曲のプロデューサーはデレク・ファーマン、カイゴからグレース・ヴァンダーウォールまで手がけている売れっ子ですよね。今回はロック系じゃない、いわゆるポップ、R&B系のプロデューサーも多く参加していて。

そうなんです。ジャスティン・ビーバーのプロデューサーのプー・ベアーとも今回初めて一緒にやって。

ージャスティンの主要ブレーンと言っていい大物ですよね。驚きの人選でした。

しかもそのきっかけが面白くて。「American Girl」を聴いたある映画の配給会社の社長が、『LEGO』っていう映画にこういう曲を使いたいから、新曲を書いてくれって言われて、それで映画用に書いたんですよ。そしたら、その社長がプーと仲が良くて、彼を紹介してもらって今回一緒にやることになったっていう。全部繋がっているんですよね。どこにチャンスが転がっているかもわからないですよね。

ープー・ベアーとやった「Head High」は、ソングライティングも彼とやってますよね。

あれは衝撃の体験でしたね。あの曲は、ほぼあの人が書いたような曲なんですよ。レコーディングの仕方からして俺はもうびっくりして。曲として歌わせてくれないんです。いきなり素で、アカペラで歌えって。「俺が一回歌うから付いてきてね」って。プロデューサーの彼がまずはタラララ〜って歌い出すんです(笑)。

ー(笑)。

そうやって録った僕の声を後から改めて別録したオケにはめ込んでいくっていう……もう謎でしたね(笑)。でもなぜかちゃんとハマっているんですよね。聴いてみたらなかなかいいなって。あの人はR&Bのプロデューサーですから。ロック・バンドなんてやったことないんじゃないかな。『ジャスティンもこうやってるんだよ』って言われて(笑)。

ーそういう、ロック・バンドらしからぬレコーディングや曲作りや、ボーカロイドでエフェクトをかけたTakaさんのボーカルなんかにしてもそうですけど、今回のアルバムはギター・ロックの音圧を高めていくんじゃなくて、むしろ音圧を抜いて広大なサウンドスケープを作っていく方向のプロダクションですよね。バンド・サウンド自体はすごくシンプルで。

そうですね。だって今回、ギターはエレキ、アコギに限らず、曲中では1本しか使ってないんですよ。今までは必ず2本重ねてレコーディングしてたんですけど。オクターブがあったり。リフがあったり、アルペジオがあったりね、当然していたんだけど。でも今回はもう、1本だけって決めたんです。その1本の音圧が足りなければ同じギターの音を足すっていう、すごくシンプルな作りです。ベースももちろんそうだし、ドラムもそう。楽器隊はシンプルを通り越えたところまでいっていると思う。でも、それがやりたかったんです。シンプルなバンド・サウンドをプロダクションで埋めていって、答えはライブにあるっていうものを作りたかった。

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