ウィーザーのリヴァースが語るグラミー賞、グレタ・ヴァン・フリートとロックの殿堂

2019年撮影のリヴァース・クオモ(Photo by Rich Fury/Getty Images for iHeartMedia)

オルタナ・ロックの金字塔『ブルー・アルバム』から25年。ここに来て新たなピークを迎えつつあるウィーザーのリヴァース・クオモが、グラミー賞授賞式のプランやロックの殿堂入りの受賞対象になること、傷ついた昔話についてユーモアたっぷりに語る。

※この記事がローリングストーンUS版に掲載されたのは、グラミー賞授賞式より前の2月6日。

今週末、ウィーザーは古巣ロサンゼルスで行われる第61回グラミー賞授賞式に出席する。2017年のアルバム『パシフィック・デイドリーム』が最優秀ロックアルバム部門にノミネートされているからだが、賞の行方はさておき、彼らが授賞式に出席することは、ポップカルチャー全盛期の今もオルタナ・ロックのベテランバンドが健在であるという奇妙な真実を強く印象づけている。「これだけ長いことやっていると、世の中は幸運と悪運の巡り合わせなんだってことに気づくんだ」と、フロントマンのリヴァース・クオモは言う。「理由はどうあれ、この数ヶ月は本当にツイてた。『アフリカ』がヒットして――まったくの想定外だった――グラミー賞に再びノミネート――夢にも思わなかったよ――そして、『サタデー・ナイト・ライブ』に出演。『ワオ、いったい何事だい?』って感じだよ」

かつてないほど多忙を極めるウィーザーは、カバー曲を集めた『ウィーザー(ティール・アルバム)』をリリース。同時に、全曲オリジナルの『ブラック・アルバム』のリリースに向けて詰めの作業に入っている。そんな中、大舞台を直前に控え、クオモがローリングストーン誌の取材のために時間を割いてくれた。バンドのグラミー歴、日曜日の授賞式のプラン、そしてグレタ・ヴァン・フリートの少なくとも1曲が気に入っている理由を語ってくれた。


『ウィーザー(ティール・アルバム)』に収録された「テイク・オン・ミー」のMVは、スティーヴ・バロン監督が制作したa-haのオリジナル版に敬意を表した内容。『ストレンジャー・シングス 未知の世界』に出演する俳優のフィン・ヴォルフハルト率いるカルプルニアが出演している。


ー今年、最優秀ロックアルバム賞を受賞すれば、2009年の「ポーク・アンド・ビーンズ」の最優秀ミュージックビデオ賞以来、ウィーザーにとっては2度目のグラミー受賞となります(※)。90年代はレコーディング・アカデミーからそっぽを向かれていましたが、気にしていましたか?

※最優秀ロックアルバム賞はグレタ・ヴァン・フリートが受賞

あのときは、グラミーがどういうものかも知らなかったと思う。グラミー賞、オスカー賞、トニー賞――どれがどれだか、わかってなかった。それに、俺たちは批評家から相当けなされてたから、自分たちが何か賞を取るなんて考えたこともなかった。俺の中では「なんで『ブルー・アルバム』が受賞しないんだよ?」と思うところもあったけど、1994年だぜ。俺たちはあの当時まだガキの集まりで、コンサートは10歳の子供たちでいっぱいだった。今になれば、あの時アルバムがあまり評価されなかったのも理解できるよ。

ーバンドメンバーで、グラミー出席を一番楽しみにしているのは誰ですか?

奥様方かな。それ以外だと、誰だろうね。全員楽しみにしているよ。『ホワイト・アルバム』が(2017年に)ノミネートされた時、俺はまだ自己防衛モードだった。「グラミー賞なんかくそくらえ。俺はそんなの気にしちゃいないぜ。出席するもんか」ってね。だけど(ベーシストのスコット・シュライナーが)「いやいや、お前ら、これはすごく重要だ。みんなで行かなきゃだめだ。受賞しないかもしれないけど、ウィーザーの晴れ舞台じゃないか」って言ってさ。彼はそういう奴なんだ、みんなのまとめ役というかさ。あれ以来、俺も納得した。俺もグラミー一家の仲間入りなんだってね。

Translated by Akiko Kato

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