実験と暴走が生んだ怪物バンド、トレイル・オブ・デッドから振り返るUSインディー黄金期

―2012年のHostess Club Weekenderで実現した前回の来日でも、『Madonna』の再現ライブをやっていましたよね。

天井:ライブはすごくよくて、大満足で帰路に着いた記憶があります。ちょうどメジャーを離れたくらいから、ゲストプレイヤーをたくさん入れたコテコテのプログレっぽい編成をやめて、バンド・サウンドに再びフォーカスするようになったんですよね。そこから2012年に『Lost Songs』というアルバムができて、バンドとしての状態がよくなっている時期に『Madonna』の再現ライブをやってくれたので、一番いいタイミングで観れたんじゃないかと思います。

―『Lost Songs』はアンサンブルも締まっていて、『Madonna』に通じる部分を感じます。

天井:最新作の『IX』(2014年)もバンド・サウンド寄りだったし、今回もまたそういうモードで来てくれるんじゃないかと。


Hostess Club Weekenderでのライブ映像

―TODがシーンに遺したものってなんだと思いますか?

天井:難しい質問ですけど、さっき挙がったクラウド・ナッシングスやジャパンドロイズなど、TODらしいサウンドを感じさせるバンドが今のシーンにいるってことじゃないですか。あと、TODはルイヴィル・シーンの潮流も汲んでると思うんですよね。テキサスと同じアメリカ南部だし。スリントとか、その前身のスクワール・バイト周辺の流れがある気がして。そういえば、この前シェイムにインタビューしたんですよ。そしたら「次のアルバムはスリントっぽくなるよ」なんて言っていて。そういうポスト・ハードコアやスロウコアの流れが、TODを経由して今のバンドに繋がっているのを見つけることもできるのかなと。


スリントの1991年作『Spiderland』収録曲「Good Morning, Captain」

天井:それから、近年はエモの再評価も進んでいますよね。ミネラルやアメリカン・フットボールゲット・アップ・キッズも新作を出しましたし。そこの流れからTODを再発見することもできるんじゃないかな。わかりやすく言えば「これエモいっしょ!」って感じの曲調だし、ちゃんと聴かせるメロディーがある。ちょっとスプリングスティーン的な、熱いロックって感じがありますもんね。


2018年のライブ映像

―ここ数年ロックに元気がないと言われるなか、これほど元気があるロックもなかなかないでしょうし。

天井:あり余ってる感じですよね(笑)。バンドも『Madonna』20周年モードに仕上がっているというか。ギターバンドとしていい状態にあると思うので。

―最近のツアーでも、昔の曲をバンバンやっているみたいです。

天井:やり込んでて、ちゃんと染み込んでいるサウンドがいい感じに聴けるんじゃないですか。あと、彼らを新代田Feverで観れるのもすごいなって。あそこで『Source Tags & Codes』の再現ライブをやるのはかなり貴重ですよ。

―ハードコアを生で観るなら、Feverほど恵まれた環境はないですよね。昨年のメッツも素晴らしかったですし。

天井:昔観たライトニング・ボルトも凄かったし、このあいだのシェイムもよかったです。海外のファンもかなり熱くなるんじゃないかな。



Hostess Club Presents...
And You Will Know Us by The Trail of Dead
20YEARS OF MADONNA

2019年3月4日(月)渋谷Club Quattro
Performing Madonna
Support Act : 踊ってばかりの国

2019年3月5日(火)新代田Fever
Performing ’Source Tags & Codes’ and Greatest Hits
Support Act :トリプルファイヤー

Open 18:00 / Start 19:00
料金:6,500円(税込 / 別途1ドリンク)

詳細:http://ynos.tv/hostessclub/schedule/20190304.html


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Rolling Stone Japan読者2組4名様を、希望日の公演(3/4 or 3/5)にご招待します。

【応募方法】
1)Twitterで「@rollingstonejp」と「@hostessofficial」をフォロー。
2)ご自身のアカウントで、下掲のツイートをRT。

〆切:2月24日(日)
※当選者には応募〆切後、「@hostessofficial」より後日DMでご案内の連絡をいたします。

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