EXILE AKIRAが映像作品で己の表現にフォーカス EXILEの「繋ぎ目」であり「語り部」でありたい

『THE FOOL MOVIE ~Raw to Refined~』発売記念イベントの様子(Photo by Motomi Mizoguchi)

EXILEのAKIRA自らがディレクション、企画、制作、編集、出演のすべてを手掛けた映像作品『THE FOOL MOVIE ~Raw to Refined~』が2月6日にリリース。その発売記念として、2月5日(火)代官山 蔦屋書店にて限定50名を迎えてのトーク&DVDお渡し会が開催された。

“THE FOOL PROJECT”と題し、昨年からパフォーマー/俳優/モデル/クリエイティブを融合させた活動を行ってきたAKIRA。ドキュメントムービーの他、海外でのプライベートショット、彼がディレクションを手掛けたオリジナルダンスビデオ(全6曲)など、“粗野から洗練へ”と成長を遂げた“表現者”AKIRAの現在(いま)が収められた本作への思いとは。その模様をレポートする。

―この作品はどういった企画で皆さんにお届けしようということになったんですか?

企画、制作、編集、プロデュースと書いていただいているんですけど、そんなに大ごとな感じではなく、もともとクリエイティブなことが好きだったんです。EXILE自体も、自分たち発信でいろんなエンターテインメントを作ったり、映像も手掛けるグループなので、10年以上EXILEで培ってきた経験をもとに、今回は自分で映像をディレクションして僕の世界観を楽しんでもらおうと思いました。同時に、3年間の充電期間を経て昨年にEXILEが再始動して、「EXILE LIVE TOUR 2018-2019“STAR OF WOSH”」というツアーまでの道のりがあったので、10年以上僕らと共にいてくれたファンの方々に、15人の“新生EXILE”の歩みを自分のフィルターを通して感じていただけたら嬉しいなという思いも込めて作らせていただきました。

―AKIRAさん個人のことであると同時にEXILE全体のことでもあると。

自分を客観的に見てくれる存在が必要なので、ドキュメントロードムービーは僕が信頼を置いているカメラマンや編集スタッフとの共同作業で行いました。MVの全6曲は自分で企画を立てて作らせてもらったので、すべて自分で編集をして。自分から見たEXILEと言いますか、自分を通して今のEXILEってこういう感じなのかなとか、15人それぞれにこんなカラーがあるんだって感じていただけるような内容になっていると思います。

―監督をやる上で、絵コンテも自らが描いたと聞きました。

あるPVでは書きましたね。ひとつこの作品の醍醐味といいますか、“手作り感”がテーマでした。EXILEのPVで言うと、CGを使ったり、ハリウッド映画級のスケールと制作スタッフチーム、数100〜数1000人のエキストラがいるファンタジーに近い世界観が多いんですけど、EXILEのAKIRAとして表現するときに、より生身の自分を感じてもらうことで双方を楽しんでもらえるんじゃないかなと思って。EXILEのAKIRAでありながら“EXILEという鎧”を脱いだ、僕の表現が作品に収められているんじゃないかなと。だから、ドキュメントの部分では包み隠さずに自分の言葉で発言していますし、EXILEのパフォーマンスとか活動の裏側ではこういう活動をしているんだとか、いろんな人が僕自身に影響を与えて今の僕が存在するんだとか、この作品を観ていただくと、今の僕自身をすべてわかってもらえるんじゃないかなと思います。

―まさにオールアバウトですね。どのくらい前から制作に入ったんですか?

充電期間前に制作したMVもありますし、最近はSNSですぐに情報が自分のもとに入ってきやすいぶん、情報への価値が薄くなってきている気がしてて。この作品を作り始めた頃は、自分たちを応援してくださっているファンの方だけが見れらるようなパフォーマンスや映像を作りたいなと思って、公式のサイト等でしか見られないようにしていたんですけど、ファンの方々から大画面で観たいとか、AKIRAさんの作る作品がすごく好きなのでパッケージにしてほしいですっていう声があって……。

制作期間は3〜4年くらいですね。EXILEという大きなグループがありながら、ひとつひとつ手探りで自分1人でどこまでEXILE AKIRAとして表現できるか。また、自分のフィルターを通して、どれだけEXILEの思いや感情を詰め込んだ作品を作れるのか男としても試したかったので、充電期間というのはいい期間だと思って。着地点は思い描いていたんですけど、ここまで辿り着けるか不安もありました。だけど、自分の思い描く世界観を表現できたことはひとつ勉強になりましたね。

―“ここは苦労したな”という場面はありますか?

自己満のDVDにはしたくないと思っていたので、大変だったというよりは、ブレない軸を自分の中に持ちながら作品を作っていくことでした。こういうタイトルを掲げて、自分なりに何を表現できるか考えたときに、先人が築き上げてきたEXILEであったり、現在進行形の15人体制の新生EXILEであったり、その繋ぎ目というか語り部は客観的に見ても僕にしかできない役割なのかなって。なぜこの作品を作ったのか、なぜこういうドキュメンタリームービーをこのタイミングでリリースするのか、なぜここまで自分をさらけ出すのか。それはAKIRAという人間だけを楽しんでもらうというより、例えばAKIRAはこういう活動をしているけど、きっとEXILEのメンバー1人1人にもストーリーがあるんだなって、作品を通して感じてほしかったから。それが、15人体制の新生EXILEのカラーなので。今回は僕だけど、次はがんちゃん(岩田剛典)のフールムービーを観てみたいとか、そう思ってもらえるような期待を込めて作らせてもらいました。

PV集に関しても、この曲はこういう風に踊りたいとか、自分はこういう世界観で表現したいってことではなくて、きっと皆さんにもEXILEの思い出の曲って1人1人にあると思うんです。僕も同じように、思い入れのある曲だったり青春の曲だったり、素敵なんだけどパフォーマンスがついていない曲もあるので、そういう観点で楽曲をピックアップしました。「優しい光」を僕がパフォーマンスしたらこうなりましたとか、ATSUSHIくんの「Suddenly」を演出したらこういう世界観になりましたとか、EXILEのアザーストーリーじゃないですけど、そういう形で楽しんでもらえたら嬉しいなと思います。

―ATSUSHIさんは作品を見て感想を言っていましたか?

自分で言うのもあれですけど、すごく絶賛されていましたね。「Suddenly」にはもともとオリジナルのPVはあるんですけど、そちらはすごくエレガントで大人の恋愛模様を描いた作品なんです。それにパフォーマンスをつけた、こういう世界観で描いてみたいんですって許可を得て、“ぜひやってみて”という感じで作らせてもらって。そうしたら全然違う角度での「Suddenly」のアプローチになったので、ATSUSHIくんも“こんな表現があるんだ”っていう感じで、手作り感にすごく刺さってくださったみたいで。“座繰りを組んで大きなスケールでPVを撮るのではなくて、本当に手作り感があるような撮影手法が僕も好きだから、AKIRAのそういうクリエイティヴな部分にすごく共感するよ”と言ってくださったので、ある意味、ATSUSHIくんの楽曲をさらに盛り上げられるような映像作品になって良かったなと思います。

―では“パート2”を期待してもよろしいですか?

そうですね…(笑)。でもそう考えると、制作期間の大変さを思い出しますよね(笑)。また1枚作ろうと思ったら、かなり気合いを入れないといけないので。でも先ほども言ったように、内側から見たメンバーというのも面白いですし、僕は出ないけど例えば世界とかタイキ(佐藤大樹)がある曲で踊っている映像を僕が撮るとか、そういうのも楽しいなと思ったので、いろんな可能性を秘めたDVDになったんじゃないかなと思います。

制作に携わったことで、クリエイティブな面で言うと表で演じるだけでは気づかなかったことも多かったですし、内側で制作することによっていろんな発見があるので、それはパフォーマンス業や役者業にも生きてきますし、何よりグループにとって、大きな船を動かしながらも小舟でひとつひとつを作っていくように、ここで得た経験がグループ全体に生かしていけるような気がします。いろんな発見もあり、相乗効果で成長できるような活動だったんじゃないかなと思います。

―では最後にコメントをお願いします。

“THE FOOL MOVIE”ということで、“粗野から洗練へ”という意味が込められているんですけど、今の自分自身を作り上げているすべてが収められていますし、違った角度からEXILEというグループを楽しんでもらうことで、これからのEXILEにワクワクしてもらえると思います。自分がクリエイトした世界観を、ぜひ手に取って楽しんでもらえたら嬉しいです。

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