無断引用とパクリの嵐 炎上フェスにも絡んだジェリーメディアとは?

ファックジェリーことエリオット・テベル氏(Photo by Gabe Ginsberg/Getty Images)

SNS上に帝国を築いたエリオット・テベル氏率いる広告代理店、ジェリーメディア。その容赦ないやり口にコメディアンのヴィック・バーガーが筆をとった。

ジェリーメディア(Jerry Media)はいわゆる「ミームページ」を連発する広告代理店会社。ファックジェリー(Fuckjerry)という超人気アカウントを運営している。

その影響力たるや、噂では企業のタイアップ投稿1件あたり7万5000ドル以上(約830万円)、スワイプアップ式ストーリーの場合は2万5000ドル(約275万円)の広告料がかかるという。今でこそあらゆるプラットフォームで合計4000万人のフォロワーを集めているが、元々はエリオット・テベル氏がインターネットで見つけた笑える画像やネタをTumblrに投稿していたのが始まりだった。

「あちこちで面白ネタを投稿しているうちに、エンゲージメントが他の投稿よりも高いことに気が付いた。それが少しずつ、コメディ専門のアカウントへ変わっていったんだ」と、本人はフォーブス誌に語っている。

彼らが富を築いていったやり口はこうだ。他人のツイートを盗用し、クレジットを取り去って、金のなる木に作り変える。以上。いたってシンプル。そしてなんともふざけている。

散々な結末を迎えたファイア・フェスティバルにジェリーメディアが絡んでいて、しかもそのジェリーメディアがプロデュースしたドキュメンタリー『FYRE: 夢に終わった史上最高のパーティー』がNetflixが公開されたことで、テベル氏の会社が批判の対象となったが、それも当然だろう。



フェスティバルをソーシャルメディアで売り込むべく駆り出されたテベル氏のチームは、自分たちの巨大な影響力をもってフォロワーをそそのかし、高額なチケットを購入させた。マクファーレンの詐欺にジェリーメディアが手を貸したのは疑いようもない。彼らはフェスティバルに批判的なコメントを削除し、チケット購入者に「あれはインチキだ」と教えようとしたアカウントをブロックした。

Instagramのシステムの穴を熟知していたテベル氏は、長い年月をかけて彼のアカウントを成長させた。Instagramは無作為な盗作が大金を生むのにうってつけの環境で、テベル氏はこれを最大限に活用する術を心得ていた(Instagramにコメントを求めたが、彼らからの返答はない)。
   
想像してみてほしい。コメディアンやアーティストとして何年も腕に磨きをかけ、何週間もかけて完成させた作品が、いつのまにかボディスプレーやらバーガーキングのえげつない新製品やらの広告に使われていたら? しかも、それを盗んだ当人が賞を受賞しているのを見たら? 彼らのネット盗作が賞に輝いた例は枚挙にいとまがない。たいていはユニークなツイートをスクリーンショットして、作者の名前を消して、宣伝文句をくっつけてファックジェリーの名前で投稿する。時には彼らも「クリエイティヴ」を発揮して、盗作を隠すために言いまわしを多少変えたりはする。実際のところ、彼らのブランドロゴも盗作だ。

Translated by Akiko Kato

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