プロレス界の"カリスマ"佐々木大輔は、NYの街に消えるのか?

CHAOS U.Kが教えてくれた「群れない、媚びない、結婚しない」の精神

─デビューが2005年で、翌年にはメキシコへ渡り修行。2008年からはDDTを主戦場として活躍しつつ、新日本プロレスの「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア」にも参戦しています。当事から非凡な才能を発揮していたのですが、プロレスのスタイル的には、やはりディック東郷の影響が大きいのでしょうか。

まぁ、レスリングの基本を含めて師匠の影響は大きく受けていると思う。そこに、メキシコで学んだルチャ・リブレが混じっている感じなのかな。ただ、自分の中で好きなスタイルっていうと、やっぱり子供のころに見ていたアメリカンプロレスなんだけど。

─これまでのレスラー人生で大きな転機となるのは、やはりKO-D無差別級王座を奪取し、DAMNNATIONを結成する2016年あたり?

いや、その前の年だね。2015年。これは、ハッキリと覚えてる。

─飯伏幸太選手とタッグを組み、大日本プロレスの関本大介&岡林裕二組からKO-Dタッグ王座を取り戻した年ですね。この後、飯伏選手が長期欠場に入り事実上DDTを離脱するわけですが、そこにチャンスを見出したというような?

そういうことじゃなくて。2015年の暮れにCHAOS U.Kが来日したんですよ。そのライブを観たことで、自分のプロレスが大きく変わってしまったわけ。

─なるほど。ここで再び、ハードコアが人生に影響を及ぼすわけですか。

とにかく、凄いライブだったから。MCなんてまったくなくて、バーッと演奏するだけ。オーディエンスなんて、まったく眼中になくて、ただひたすら自分たちの存在を叩きつけてきた。その姿に圧倒されてしまって。あのライブの前後で、ほんとに自分のプロレス観が変わってしまうほどだった。


Photo by Takuro Ueno

─具体的には彼らのライブが、佐々木大輔の何を変えたのでしょう?

かつての自分もそうだったけど、大半のプロレスラーって、客の反応や顔色を見ながら試合をしているようなところがあるんだよね。

─ある意味、観客の求めるものを与えていくのもレスラーの務めではありますからね。

でも、CHAOS U.Kはそうじゃなかった。オーディエンスに媚びないというか、そもそも「わかってもらおう」という気持ちすら感じられなかった。そういうライブを観て、自分も今までみたいな試合をしている場合じゃないぞ、と思ったんだよ。やりたいことを、やりたいようにやればいいんだって。そこに気づいてからは、ベルトとかあれこれ結果も後から付いてきたという。

─つまり「群れない、媚びない、結婚しない」というDAMNNATIONのモットーは、CHAOS U.Kから生まれたわけですか。

まぁ、そういうことになるよね。

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