HIROSHI(FIVE NEW OLD)が語るBMTH「時代に正しく寄り添っていけるバンド」

―フロントマンのオリヴァーという人をどう見てますか?

ちゃんとライブを観たことはないんですけど、根っこはすごくいい人な気がしてます(笑)。あとは自分のブランド(DROP DEAD CLOTHING)もやってますし。クリエイティヴが溢れてる人なんだろうなと思います。彼は自分が見ている景色や思い描いてるものに対してすごく正直に向き合っていて、それが今の世代の人たちに刺さっているんでしょうね。ロックバンドがまとっている、ちょっと悪そうな雰囲気もちゃんとあるんですけど、それ以上に誠実な印象があります。

―では、今作『amo』について、気になる部分を聞かせてください。

「マントラ」もそうなんですけど、ギターの歪みが重いのに優しいっていう。その謎をこないだ解明したんですよ。たしか、ギターの弦にベースの2~3弦のものを使うとあの歪みになるっていう話で、そういう話を聞くとまたグッときますよね(笑)。あと、「メディスン」の80’sっぽいアナログシンセの匂いのする音色を上手く使っていてよかったですね。アルバム後半のトラップに寄っていく感じも違和感がない。オリヴァーは昔ヒップホップのグループを遊びでやっていたそうなので、これは納得できます。彼らがいろいろな音楽を聴いてることは知ってるから驚かないというか、「まあ、やるでしょうね!」っていう。







―The Rootsの元メンバーでもあるラゼールの使い方もいいですよね。

上手いですよね。あとは、たまにオリヴァーがシャウトをしてて喉が心配になりました。以前、ドクターストップがかかったことがあって歌メロを歌い始めたっていう噂を聞いていたので、たまにシャウトが出てくると「喉、大事にして!」って思います(笑)。

―心配の仕方が女子ですよ(笑)。

また「マントラ」の話になるんですけど、最初この曲はおとなしめだと思ったんですよ。だけど、聴いてるうちにこの歪みのバランスがカッコいいって感じるようになったし、Cメロ辺りのエレクトロやヒップホップなフレーズが混ざってくるバランス感が上手いですよね。あと、「ニヒリスト・ブルース」はグライムスのきれいなウィスパーのボイスパッドがめっちゃうれしかったですね。しかも曲の後半でちゃんと歌ってるから、「はぁ~! 聴けたー! 天使が歌ってるーっ!」ってさらにうれしくなりました。これがライブになるとどうなるのか気になります。よりヘヴィになりそうですね。

―次々と感想が出てきますね(笑)。

あと、インタールードの「アウチ」もリズムがいいですね。ドラムのマットがリズムを作ってるんですかね? 前作に入ってる「ハッピー・ソング」の途中でドラムのリズムが崩れるところもすごく好きだし、今回もたまに見せてくれるリズムの凝ったところがいいですね。今作だと「フレッシュ・ブルーゼズ」はすっごい遅いビートに聞こえるのに、ハイハットで裏のリズムを取ってるからビートが止まらない感じがして、それはすごく新しいと思いました。後半はリズムに驚かされる部分が多いです。あと、中盤の「メディスン」とか「シュガー・ハニー・アイス&ティー」はすごくキャッチーで、このあたりがピークでメロディの良さが出てきてる気がしますね。

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