HIROSHI(FIVE NEW OLD)が語るBMTH「時代に正しく寄り添っていけるバンド」

―特に変化を意識したわけじゃないとは言え、その過程がどうであれ、ファンとしては変化をよしとしない人も多いわけじゃないですか。商業的な成功を追い求めすぎたことで失敗したバンドもいるし、自分たちの世界観を突き詰めた結果ファンが離れることもある。

リスナーとしていろんなアーティストを聴いているなかで「ああ、前のほうがよかったな」って思うことももちろんあるし、僕らのお客さんも僕らに対して思うことはいろいろあると思うんですけど、音を届ける側と受け取る側の意識の違いっていうのはどんなに時代が変化しても避けられないことだと思うし、それはアーティストとリスナーの摂理なんだろうなって。そういう流れのなかに自分たちはいるわけだから、今自分が思っていることに対して正直に向き合って音を作っていくことが大事なんだと思います。

―ある意味、腹をくくっていると。

そうですね。離れる人は離れるだろうし、信じてくれる人もいる。でも好き嫌いははっきり言ってもらったほうがいいです。それだけみんなが注目してくれてるってことだし。ブリング・ミーも、前作『ザッツ・ザ・スピリット』を嫌いだって言う人は多かったけど、あれを出したからこそ会場が大きくなっていったし、ジャスティン・ビーバーのツアーにも付いていくことにもなったから、彼らのような向き合い方は正しいんだと思います。

―バンドマンとしては夢のある話ですよね。

あそこまでできる人たちはなかなかいないと思いますけどね。今年もレディングのヘッドライナーに決まったって話を聞いたし、今ロックバンドで、しかもラウドのフィールドでここまでメインストリームと近い距離でやってるアーティストは本当に稀だと思います。





―ヒップホップやR&Bに人気を奪われているなかでも、ロックバンドとしてこれだけ活躍しているのはすごいですよね。

多分、ロックバンドであることに執着していないんだろうなという感じはします。時代に対して正しく寄り添っていける人たちなんでしょうね。

―自分たちに置き換えた場合、メインストリームに打って出るときに意識すべきことってなんだと思いますか?

世界と日本だとまた違ってくると思うんですけど、国内に絞ると、いい塩梅のダサさが必要なのかなという気はしてます。あと、自分たちは英語で歌ってますけど、どれぐらいのレベルの人にまで通じるものを書くかというのが大事だなと思うようになりました。僕たちの曲をカラオケで歌ってみたっていう人もいるんですけど、「歌ってみたけど上手く歌えませんでした」って言われることがあって、うれしいけどちょっと複雑なんですよ。「歌いにくいメロディ作ってごめん」みたいな(笑)。

そういう意味では、自分の中でわかりやすすぎると感じるぐらいわかりやすいメロディにすることが大事なんだなと思って、最近はそういうことを意識するようになりましたね。もちろん、わかりやすくすることだけが正解だとは思ってないですけど。ブリング・ミーのメロディもわかりやすいし、どこかで聴いたことあるようなフレーズがあったりするので、そういうのもわかってやってる気はします。でも、型には絶対はまらないっていうことも大事にしている。

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