エディ・ヴァン・ヘイレン、超絶ギターソロ・ベスト20

「サムボディ・ゲット・ミー・ア・ドクター(Somebody Get Me a Doctor)」1979年

エディ・ヴァン・ヘイレンが、他のプレイヤーから受けた影響について言及することはめったにないが、エリック・クラプトン、特にクリーム時代のクラプトンについては例外だ。「クラプトンの初期の作品にインスパイアされてギターを始めた」とエディは、2015年のローリングストーン誌のインタヴューで語っている。「特にクリームのライヴ・レコーディングがお気に入りだった。3人のメンバーがそれぞれプレイする3つのパートだけが聴けるから」という。バンドとしてのヴァン・ヘイレンは4人編成だが、核となるのはエディのヒーローたちをイメージして形成された巨匠によるパワートリオだ。エディ、ドラマーのアレックス・ヴァン・ヘイレン、ベーシストのマイケル・アンソニーの3人によるインタールードは情熱的だが、特にアルバム『伝説の爆撃機』に収録された『サムボディ・ゲット・ミー・ア・ドクター』のソロセクションで顕著に現れている。ボリュームアップしたエディのギターが奏でるブルージーなフレーズと疾風のハーモニクスを、リズムセクションが素晴らしいスウィングとパワーで支えている。(T.B.)

「スパニッシュ・フライ(Spanish Fly)」1979年

最終的にギタリストとなったエディだが、当初はコンサート・ピアニストを目指していた。彼のクラシック音楽の才能は、アルバム『伝説の爆撃機』の『スパニッシュ・フライ』を作曲する際にも発揮された。ガットギターによる1分間の“エド=チュード”で、エディのトレードマークである両手タッピングと超高速フラメンコ風の速弾きがフィーチャーされている。発想豊かな楽曲『スパニッシュ・フライ』は、エディのプレイスタイルを真似始めた多くのハードロック・ギタリストたちに対し、自分はジャンルを意のままに超越できることを示した威嚇射撃でもあった。後にオジー・オズボーンのギタリストとなるザック・ワイルドも、エディからのメッセージを受け取ったひとりだった。「初めて『スパニッシュ・フライ』を聴いた時、“いったいどうやったらこんなに上手く弾けるようになるんだ?”と思ったよ。全く常識を超えていた」とワイルドは、アベル・サンチェス著『Van Halen 101』の中で語っている。(T.B.)

「ミーン・ストリート(Mean Street)」1981年

『暗闇の爆撃』のラスト45秒同様、『ミーン・ストリート』の最初の30秒間でエディは、“ファンク・スラップ”的な両手タッピングを披露している。駆け出しのギタリストに(さらに熟練のキーボーディストにも)、恐らく最も頻繁にコピーされてきたエディ・ヴァン・ヘイレンのテクニックだろう。イントロのせいで、『ミーン・ストリート』のギターソロが絶品だという事実がかすんでしまっている。空高くつんざくスクリーミングに始まり、小刻みに震え、跳ね、激しくうねる長いランとフレーズ。さらにリードが、既に暗く張り詰めた雰囲気に不穏な空気を重ねる。アグレッシヴなソロについてエディはかつて、「別に気がふれた訳ではないが、ただ曲にフィットすると思ったんだ」とコメントしている。(R.B.)

Translated by Smokva Tokyo

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