LiSAが語るブリング・ミー・ザ・ホライズン「音楽への尊敬とパンク精神」

―音楽のほうは?

音楽はどちらかというと聴きづらくて、メロディがないどころかずっと叫んでるし、理解するにはちょっと時間がかかると思ってたんですよ。だけどオリヴァーの言動だったり、メタルコアのバンドなのにいろんな場所に出向いていく姿勢だったり、進化していく彼らの姿が好きになって追いかけるようになったんです。それで、前々作『センピターナル』あたりから自分が知ってる感覚というか、ユーズドみたいに懐かしいエモのテイストが感じられたし、オリヴァーも歌うようになっていて。「オリヴァー、歌えるんだ!」みたいな(笑)。

―あはは!

それで、これからはスリーピング・ウィズ・サイレンズみたいに歌モノで勝負していくつもりなんだな、今後どうやって進化していくんだろうって思っていたら、前回のアルバムで「大好きです!」ってなって(笑)、そこからはずっと聴かせてもらってます。

―前作『ザッツ・ザ・スピリット』のどんなところが好きなんですか?

オリヴァーの歌ってる姿と甘い声ですね。だけどしっかりロックしてるし、シャウトもしてるし、声色がどんどん変わっていって、彼らの本気を見たような気がするアルバムなんですよね。「俺たちが頂点だぞ!」って宣言してるような感じがします。作品の構成もすごくよくて。アルバムの最初から最後までツルッと聴けるし、「これ、私もやりたい!」って思わされるサウンドやメロディの構成がたくさんある。

―なるほど。

あと、イギリスのバンドだからか、パンクな匂いもすごくしますよね。ドロップデッドを着ていて思うんですけど、チェック柄があったり、ちょっとボロボロだったり、パンクからの影響を感じるテイストがブランドにも取り入れられてるんですよ。彼らの音楽のコアな部分、メッセージがたくさん込められてる。話はズレちゃいましたけど、『ザッツ・ザ・スピリット』は、私がオリヴァーという人にやってほしいと思い描いていた音楽の理想に到達したというか、「私のオリヴァー、キター!」って感じでした。

―あはは! 今作の感想はいかがですか?

正直、びっくりしました(笑)。「こう来るか!」って。私もアルバムを作るときはいつも迷うんです。進化することでファンを置いていったらどうしようっていう気持ちと、変化せずにそのままであり続けることによって自家中毒を起こして、「ずっとこれしかできなくなったらどうしよう」っていう恐怖。でも、彼らは進化することを選んでいくんだなっていうことを感じたアルバムでした。

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