【独占取材】55歳のスラッシャー、アンスラックスのスコット・イアンがバンド史を語る

―2019年、日本で初めてDOWNLOAD FESTIVALが開催されますが、このフェスにまつわる思い出は何かありますか?

思い出と言えば、2005年のDOWNLOADではブラック・サバスと同じ日にプレイしたことがあったな。ブラック・サバス、ベルベット・リボルバー、アンスラックスがメインステージのトップ3のバンドで(※この年のタイムテーブルによると、実際はアンスラックスではなく、HIMがトップ3に入る)、あれは俺らにとって本当に本当に大きな日だったよ。なぜならオリジナルメンバーのブラック・サバスと同じステージに立てるとは思ってなかったからさ。俺らもいいショーをやったけど、そのことよりもブラック・サバスを目の前で観れたことに興奮したね(笑)。

―あはは!

日本のDOWNLOADではまたしても自分たちのショーをやってオジーも観ることができるから最高だよね。ファンとしては頭が破裂しそうだよ。これまでオジーには何度も会ったことがあるけど、俺は彼と会うときはいつだって16歳のメタルキッズに戻るんだ。

―オジーへの強い気持ちが伝わってきます。

あと、あのフェスは昔、MONSTERS OF ROCKという名前で、アンスラックスは1987年に初めて出演したんだけど、当時のラインナップは、シンデレラ、WASP、アンスラックス、メタリカ、DIO、ボン・ジョヴィだったんだ。アンスラックスとメタリカはまだ新人だったんだけど、スラッシュ・メタルはイギリスでもビッグになってきてて、俺たちとメタリカはどっちも最高のショーをやったんだ。会場には7000人から8000人ぐらいの観客がいて、さっきも話したけど、そんなにたくさんの人たちの前でやったことがなかったからすごくエキサイティングで、演奏もよかったもんだから今でも鮮明に覚えているよ。しかもさ、その日のバックステージで初めてKISSのジーン・シモンズとポール・スタンレーに会ったんだ! そのとき俺はメタリカのカーク(・ハメット)と一緒にいたんだけど、彼らはバックステージのテントにある大きなスクリーンでボン・ジョヴィのショーを観てたんだ。この日、KISSの出演はなかったんだけどちょうどロンドンにいたみたいで、ボン・ジョヴィを観るためにわざわざ来たらしいんだよね。で、俺らはジーンとポールがそこにいるのを見て固まったよ。「はぁぁぁ……っ!」って。

―あはは!

なぜならカークも俺もKISSに影響されて音楽を始めたからね。あのときは本当にどうしたらいいか分からなかったよ。完全に2人の小さなキッズだった(笑)。でもそのときの俺らはちょっと酔っぱらってたから、ボン・ジョヴィの曲が終わったのを見はからって、「ハーイ、ジーン! ハーイ、ポール!」って挨拶しにいったんだけど、近づいてみたら彼らはめちゃくちゃ背が高くて(笑)。隣に並んだ俺らは小人みたいだったよ!(笑)


Courtesy of DOWNLOAD JAPAN 2019

―一緒に写真は撮らなかったんですか?

撮らないよ! 1987年にスマホなんてないんだから! でも、彼らが来ることを先に知ってたらカメラを持って行ったか、少なくともロス・ハルフィン(メタリカのツアー同行カメラマンとして知られている)か誰かを捕まえて撮るように頼んでたかもね。まあとにかく、ジーンとポールにそこで挨拶して、そのあとに何を話したらいいかわからないでいたら、ジーンが「君はアンスラックスのスコットで、君はメタリカのカーク・ハメットだよね? 君たちのショーは素晴らしかったよ。成功おめでとう」だって! もう小便チビったよ! 「なんだって!?」って。ジーン・シモンズがアンスラックスと俺の名前を口にするなんて考えてもなかったからな! 「あなたは悪魔のジーン・シモンズ様なのに、なんで俺らのことを知ってるんだ!?」って。もう、カークと俺は「うわ~っ!」ってどうしたらいいかわからなくなって、結局2人で手を握って小さい女の子みたいにその場から逃げ出したんだ(笑)。すげぇエキサイティングな日だったよ! で、その9カ月後にKISSのアメリカツアーのオープニングアクトをアンスラックスがやらせてもらって、それがきっかけでジーンと友達になって今でも仲がいいんだ。

―最高のエピソードですね!

バンドにいるのは楽しいよ(笑)。

―先ほど、DOWNLOAD JAPANではオジーのショーを観るのが楽しみだと言ってましたが、他には何か楽しみにしていることはありますか?

アンスラックスのショーも素晴らしいものになるだろうね。アンスラックスのショーでいつも起こる馬鹿デカいサークルピットを見るのが楽しみだよ。俺らは1986年から日本に行ってるけど、俺らにとって日本はいつでも特別な場所だよ。(嫌そうな顔で)「○○○でプレイするのは楽しいよ……」って言うのとは違って、本当に日本はいつでも特別なんだ。それは日本のファンが俺たちによくしてくれるからだよ。まだわからないけど、今回は7歳の息子も一緒に連れて行きたいと思ってるんだ。彼もすごく楽しみにしてるよ。日本がどれだけクールか俺がいつも話してるからね。彼はゴジラが日本の映画だって知ってるし、もうそのことだけで日本に行きたがっているんだ。

―アンスラックスの次作の予定はありますか?

お、これは初めてメディアに話すことだな。1月に初めて次作のための曲作りに入るよ。今年中には仕上がると思う。どうなるか楽しみにしててよ。

―DOWNLOAD JAPANに行く前に予習をするならどの作品がオススメでしょうか。

オジーの『BLIZZARD OF OZZ』だね(笑)。彼の最初の3作品(『BLIZZARD OF OZZ』『DIARY OF A MADMAN』『BARK AT THE MOON』)は聴くべきだよ。スレイヤーは『Reign in Blood』だな。あと、アンスラックスも聴くって言うなら『AMONG THE LIVING』と『For All Kings』だね。

―日本のメタルファンは年齢層が高めですが……。

(話を遮って)そうかな? そんなことないと思うよ。年寄りにあんなサークルピットは作れない! あそこにいるのはみんな20代だろ。年寄りがあんなことやったら心臓発作で死んじまうよ。日本のサークルピットは世界で一番速いからね。めっちゃ速いぞ! あれは健康な若者が多い証拠だよ! 俺も健康だけど、ステージから見てる限り俺にはあんなことはできないね。

―わかりました(笑)。では、最後に日本のオーディエンスにメッセージをお願いします。

ライブハウスツアーだとしても日本でプレイするのは毎回楽しみなんだけど、今回は大きなフェスで、しかも友達でもあるスレイヤーやオジーも一緒だし、日本には地球上でベストなメタルファンがいるからかなり楽しみにしてるよ。まるでクリスマスの朝を待つみたいに楽しみにしてる(※取材時は12月だった)。俺にとってのクリスマスプレゼントは日本でショーをやることだな。まあ、3月だけどね。



DOWNLOAD JAPAN 2019
日程:2019年3月21日(木・祝)
会場:千葉県 幕張メッセ国際展示場9~11
出演:スレイヤー、SUM 41、アンスラックス、アーチ・エネミー、ヘイルストーム、MAN WITH A MISSION、アマランス、ライク・ア・ストーム 他
料金:スタンディング ¥16,500(税込/1ドリンク代別途必要)
VIPチケット ¥30,000(専用ビューイングエリア、専用入場レーン、物販ファストレーン、専用クローク、1ドリンク付、VIPラミネート配布)

※2月19日追記:オジー・オズボーンは病気のためDOWNLOAD JAPAN 2019出演キャンセルとなった。

チケットぴあ、イープラス、ローソンチケット、他プレイガイドにて一般発売中
https://www.downloadfestivaljapan.com/ja/tickets





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