『ボヘミアン・ラプソディ』の監督、新たな性的虐待とレイプ容疑で告訴

この記事で新たに発覚した虐待に加え、ジ・アトランティック誌は2017年12月にシンガーを告訴したシーザー・サンチェス=ガズマンに取材した。この取材が行われたのは2週間の撮影期間を残して『ボヘミアン・ラプソディ』製作からシンガーが解雇された翌日だった。また、2017年12月にオンライン雑誌デッドラインにシンガーとの愛人関係を暴露したブレット・タイラー・スコペックへの取材も敢行している。

サンチェス=ガズマンは、2003年にシアトル在住のハイテク億万長者のヨットで海に出たときに、当時17歳だった自分をシンガーがレイプしたと訴状で主張している。「(シンガーは)シーザーに近寄ってきて、自分の身体をシーザーに押し付けた。ブライアン・シンガーはその後シーザーを床に押し倒し、自分の股間に彼の顔を無理やり持っていき、シーザーにオーラルセックスを強要した。ブライアン・シンガーは自分でペニスをパンツから出し、シーザーの顔をそのペニスで軽く叩いたあと、シーザーの口に押し込んだ」と書かれている。

シンガーの弁護人たちには、サンチェス=ガズマンをIRS(国税庁)と移民局に通報すると言って脅した嫌疑がかけられている。サンチェス=ガズマンの両親はメキシコ出身者で、彼自身はレイプが行われた後から破産状態にあったのだ。

さらにジ・アトランティック誌は、これらの訴訟と他にも暴露される可能性から不安に苛まれたシンガーの状態を細かく報じ、この一連のスキャンダルが彼を「壊れた状態」に陥らせ、それが引いては『ボヘミアン・ラプソディ』からの解雇へとつながったとしている。同誌はまた、20世紀フォックスはシンガーに複数のセクハラ疑惑があることを承知で雇用した唯一の理由が、クイーンのメンバーが彼を支持していたことだったと記している。

「由緒あるジ・アトランティック誌がこのような低俗な記事を掲載して、ジャーナリズムの品位を落としたことが悲しい」と、弁護士を通してシンガーがローリングストーン誌に語った。「繰り返しになるが、今回の報道は、金のためや注目を集めたいためだけに、人気のない出演者たちが起こした以前の偽の訴訟を焼き直したものだ。ボヘミアン・ラプソディが映画賞を受賞するほどのヒットとなっているこのタイミングで、このような中傷記事を出して注目を浴びようとすることに何の驚きもない」と。

1月初めに『ボヘミアン・ラプソディ』はゴールデングローブ賞のドラマ作品賞を受賞した。「映画業界はゴミをカーペットの下に隠して、何事もなかったかのようにしている」と、同作品のゴールデングローブ賞受賞について聞かれたサンチェス=ガズマンがジ・アトランティック誌に言った。「ほとんどの人には真実が見えないんだ」と。シンガーは今年、大ヒット作『レッドソニア』のリメイクでメガホンを取る予定だ。

Translated by Miki Nakayama

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