無視することはできない、ポスト・マローンの圧倒的存在感

世界三大ラッパーの一人ポスト・マローン (Photo by Rick Kern/WireImage)

今週、Hot 100の首位の座に返り咲いた、ポスト・マローンの「サンフラワー」だが、彼の真価を物語っているのはもう一つの新曲だ。圧倒的人気を誇るラッパーに成長した「ポスト・マローン」現象を考察する。

ポスト・マローンは今週、Hot 100の首位の座に返り咲いた。レイ・シュリマーのスウェイ・リーとコラボレートした軽快な「サンフラワー」がチャートを制したことは、特に驚くべきことではない。現時点で1億5千万ドルの興行収入を記録している(Box Office Mojo調べ)『スパイダーマン:スパイダーバース』のために制作された同曲は、映画本編においても大々的に使用されている。映画を気に入ったオーディエンス(現時点で同作はRotten Tomatoesで満足度97パーセントを記録しており、今後も高い水準が維持されると見込まれている)の多くは、「サンフラワー」のことも好きになる可能性が高い。

しかし、大ヒット映画とのタイアップという話題性やマーケティング戦略がなかったとしても、「サンフラワー」はストリーミングやラジオでヒットを記録していたはずだ。その理由はただひとつ、それがポスト・マローンの曲だからだ。

ポスト・マローンが世界3大ラッパーのひとりになったタイミングは不明だが、その勢いはとどまるところを知らない。「サンフラワー」は言わずもがなだが、去年の暮れに発表された「Wow」の大ヒットは、彼が映画とのタイアップのような戦略を必ずしも必要としていないことを証明している。

「サンフラワー」と比較すると、「Wow」は明快さに欠ける。そこにはスウェイ・リーによるゴージャスなファルセットも、チャーミングなマイルズ・モラレスのイメージもない。同曲の売りはただひとつ、西海岸らしい柔軟性に富んだビートに絡む、マローンの堂々たるラップだ。本記事を執筆している現時点で、同曲はアメリカにおけるSpotifyの再生回数で第2位につけており、ミーク・ミルとドレイクによる話題のコラボレーション「ゴーイング・バッド」を凌いでいる。そして第1位はというと、おそらく予想はついているだろうが、ポスト・マローンの最新曲「サンフラワー」だ。

Translated by Masaaki Yoshida

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