Facebook新方針、LGBTQ性教育者たちが感じる「排除」への危機感

「自分がやっているFacebookのすべてグループのメンバーたちは、今回の新方針で自分たちのアイデンティティーに関する専門用語の使用を禁じられたことで、今後どんなふうに監視されるのかとビクビクしている」と、デニスがローリングストーン誌に語った。

さらに、デニスはセクシュアリティ以外の問題を論じるようなグループにも、今回の新方針が影響を与えるかもしれないと心配している。例を挙げると出産のコミュニティだ。出産の問題を扱う場合、そこにはセクシュアリティが必ず関わってくる。「自分は親で、最近赤ちゃんを授かった」とデニスが言う。「ここ2年間は子供を欲しがっていたり、妊娠しているトランスジェンダーとクイアに対応する様々なグループのメンバーだった。そこではセックスや性交、生殖器を含む人体に関する生物学、そして妊娠と出産のプロセスというノーマルな話題を多く話し合う。今、心配していることは、自分が所属するコミュニティではクイアとトランスジェンダーの経験についても語るため、その会話が性的で不謹慎と見なされて、ヘテロセクシュアルやシスジェンダーの出産グループと異なると警告されること」とデニス。(Facebookからのメールに「性行為を提供したり、約束する」ことが含まれた言語が対象になると明記されていた。)

自分のアイデンティティーを探ることに不慣れな人たちにとって、Facebookはすでに閉鎖された支援とアドバイスの図書館的な存在だ。「最近自分のコミュニティとアイデンティティーを探し始めたばかり」と、ジェンダークイアでクイアのFacebookユーザーM.E.G.が言う。「自分は2年前まで隠し続けていたので、今でも違ったアイデンティティーで見られることが多い。Facebookは賛同できて、自分のアイデンティティーを家族や友人と率直に語り合える数少ない安全な場所だけど、今はクイアやジェンダークイアについて率直な意見を言うと、それが削除される不安を抱えている」と。

M.E.G.は「自分が入っている支援グループはほとんどがFacebookでつながっている。そういう支援グループのヘルプやサポートが突然消えてしまうかもと考えると本当に怖い」と付け加えた。

訂正:この記事には、方針に違反する投稿に関する条件を明確にしたFacebookの追加コメントを後から加筆している。方針が適用されるには「性行為を提供したり、約束したりする」文言が入っている場合だと言う。また、Facebookに審判手続きがある点も加筆した。

Translated by Miki Nakayama

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