【密着ルポ】現代のロックスター的存在、トラヴィス・スコットの日常

トラヴィス・スコット:2018年11月20日、ブルックリンにて撮影(Photo by Dana Scruggs for Rolling Stone, Hair by Yazmin Adams, Grooming by Jenn Hanching, Styling by Renelou Padora, Pants by Undercover)



「引きこもりの黒人が多い状況を変えたい」

スコットがマリファナを吸いたがったため、我々は外に出た。駐車スペースに置いてあった黒い鉄製の椅子に腰掛けたDeshonは、近所で最近起きたことについて話し始めた。「あそこの家の双子、片方が死んだんだ……あの家の子はゲイになったらしくて、その相手があそこに住んでる……ムショにいるHarold、12月に出てくるってよ」。外は小雨に変わっていたが、通りに人気は無かった。天気がいい時はもう少し活気があるのかと尋ねると、スコットは首を横に振った。「最近の子どもはiPadとかに夢中で、外で遊んだりしないんだよ。アストロワールド・フェスティバルは、そういう状況を変えたいっていう思いから生まれたんだ。今は引きこもりの黒人が多すぎるからな。Stormiには一切TVを見せないようにしてる。あれはマジで有害だから」

もうすぐ84歳になるSealieの家の前には、彼女が大切にしているという小さな花壇がある。以前は裏庭でより多くの花を育てていたが、2017年にアメリカを襲ったストーム”Harvey”によって、花壇は台無しになってしまったという。Deshonはスコットのランボルギーニを前にして、昨日のアストロワールド・フェスティバルはどうだったかと尋ねた。郵便局に勤める彼は早朝4時に出勤しなければならないため、フェスへの参加は諦めたのだという。残念でしたねと筆者が伝えると、彼は肩をすくめてこういった。「文句はないよ。金のためだから仕方ねぇさ」。出発前に、スコットはSealieと気持ちのこもったハグを交わした。「感謝祭には帰ってくるのかい?」というSealieの問いに、彼はこう答えた。「何とかするつもりだよ」。当日、彼はロサンゼルスでカーダシアン家と過ごし、その後テキサスに戻ってくる予定だという。「ところでさ」。彼はこう続けた。「俺の専属シェフの作るスパゲッティが、おばあちゃんの味と全く一緒なんだ。もしかしてさ、ソースに砂糖入れてる?」

Sealieは笑顔を浮かべ、首を横に振ってこう言った。「ただのケチャップよ」

再びスコットの愛車に乗り込んだ我々は、彼が昔通っていたSoutheast Community Churchに向かっていた。マリファナをネイトに手渡し、彼はこう言った。「持っといてくれ。教会で吸うわけにはいかないからな」。信心深いところは、スコットとカイリー・ジェンナーに共通する点のひとつだ。「俺たちは神を信じてるんだ」。そう話す彼は、彼女の妊娠が発覚した時の思いについてこう語る。「神様からの贈り物だって思ったよ。お互いが忙しくなるたびに、子どもが欲しいなって話してたから」

彼は2人が固い絆で結ばれていて、関係が急速に発展したことは何も問題ないと強調する。「お互い若いし、最初のうちは軽い気持ちで付き合ってたんだ。最初の1週間なんかは、それが恋なのかどうかもあやふやだった。でもその次の週になっても気持ちは冷めなかったし、2人でいると話題が尽きなかった。そうするうちに確信に変わっていったんだ、彼女こそが運命の人だってね」。彼はこう付け加える。「近いうちに結婚するつもりさ。今はプロポーズについて考えてる、とびっきりのやつをね」


左からトラヴィス・スコット、カイル・ジェンナー。(Photo by Ronald Martinez/Getty Images)

スコットは世間が彼女のことを誤解していると話す。「彼女がどれだけリアルでクールか、世間はまるでわかってない。みんな彼女のイメージを勝手にこしらえて、いい加減なことばかり言ってる。見当違いもいいとこさ」。出会ったばかりの頃は、お互いの好きな映画と監督の話題に花を咲かせたという。「彼女はティム・バートンやウェス・アンダーソンのファンなんだ。センスいいだろ」。しかし彼が最も惹かれたのは、彼女の「緩さ」だったという。「俺は気楽に歩き回るのが好きなんだ。彼女は有名人だから運転手に送り迎えさせたり、ボディガードを15人くらいつけてるように思われてるけど、俺たち普通に2人で出歩いてるんだよ」

彼はプライバシーを重視しているという。「俺はカメラが嫌いだし、いかにもって感じの業界人も好きじゃない。この世界の住人になるってことは、プライバシーを放棄することにもなりかねない。勝手に書かれた記事をあちこちで目にするけど、彼女はいたって普通だよ。彼女が何を大切にしているかを俺は知ってるし、それは世間のイメージとはまるでかけ離れてる。彼女は世界一クールな女性さ」

Translated by Masaaki Yoshida

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