King Gnuが語る「映像」と「音楽」の関係性

King Gnu(Photo by Nobuyuki Seki)



ー確かにそれは結果にも表れていて、2018年9月に出した「Prayer X」はもう200万回再生を超えてるし、「Flash!!!」のMVも130万回再生。「Flash!!!」は個人的にも今年見たMVのなかで衝撃的だったもののトップランクに入ります。

常田:ああ、ありがたい。というのも、俺は2017年に出した「Vinyl」のMVが最初気持ち悪くて気に入らなくて。





ー常田さんにとっての「気持ち悪い」ってなんですか?

常田:最初はもっとサムイ演技のカットとか、説明的なカットが多かったんです。もともと(井口)理が歌うカットはなかったし。もしかしたら説明的なほうがわかりやすくて一般層には届くのかもしれないけど、単純に、美学に乗らないカットはなくしたいから、俺は「公開したくない」ってゴネて。そのあと3回追撮して、最後の最後に半ば強引に理を地下の遊歩道で撮って、公開したっていう(笑)。最近は「この予算だとそれは無理がある」みたいなことも大体わかってきて、予算内でクオリティを上げられるところにしか手を出さない、っていうのをすごく考えていますね。

ーミュージシャン本人が、MVのバジェットまで考えてディレクションできるって、今のネット・動画時代において相当強いですよね。

常田:音楽も映像も、ここ1〜2年でちゃんとステップアップしてる感じはありますね。でも、最近すごく考えるのは……MVは、あくまで広告で。音楽を売るための映像であることを意識しなきゃいけないなとは考えているんですよね。自分の表現だと言って落とし込むのは、このフォーマットにおいて正しいとは思わない。でも、かといって、たとえば「It’s a small world」のMVは、もっと明るい映像をつけたほうが売れると思うんですけど……理も、笑顔でね(笑)。



井口:白いシャツ着てね(笑)。

常田:いい匂いさせてね(笑)。そんな感じの映像のほうが人気は出るんですよ。

ーでもそうしないのは、美学があるからで。

常田:そうなんです。せめぎ合いですね。「そうしたほうが売れるのはわかってるんですけど」っていう。それは、音楽にしろアートワークにしろ、全部にあります。

ー今後PERIMETRON以外にMV制作を頼む可能性もありますか?

常田:どうかなあ。できれば金は仲間内に落としたいというのがあって。

ーああ、すごく大事なことですよね。

常田:うん、そういう気持ちはありますね。むしろ、King Gnuの作品をきっかけに、他でもたくさん稼いでほしいし。

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Edited by Daichi Yajima




『Sympa』
King Gnu
アリオラジャパン
発売中

トラックはより一層従来のバンド音楽を逸脱していながら、しかし体感としてはさらにポップなものになっているのが素晴らしい。ヒップホップ~ビートミュージック色が濃いトラックの中で、「Sorrows」のようにヒロイックな疾走ナンバーから滲むロックアティテュードもまた、King Gnuの魅力だ。



「Rolling Stone Japan vol.05」
発行:CCCミュージックラボ株式会社
発売:株式会社ネコ・パブリッシング
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