ポストハードコアの伝説的存在、Jawbox復活の裏側をメンバーが語る

Jawboxの解散以降、メンバーたちは次々とコラボレーション・プロジェクトに着手した。解散と同じ年、ロビンスはバーボットと組んでBurning Airlinesを結成。ドラムにはGovernment Issueでロビンスと一緒にプレイしていたピーター・モフェットが加わった。同じころ、バロカスはインストゥルメンタルバンドThe Up On Inを結成。一方コレットは教職の道へ転身した。Burning Airlinesの解散後、ロビンスは様々なバンドを結成。その中には妻のジャネット・モーガンと結成したChannelsやOffice of Future Plansなどがある。

また定期的にソロライブも行い、Jawboxの楽曲などを演奏した。2017年、ロビンスとバロカスはFarのヴォーカリストであるジョナ・マトランガと組んだCamorra名義でシングルをリリース。一方バーボットはピーター・モフェットと再びタッグを組み、Foxhall Stacksを結成したばかりだった(バーボットはまた2018年、元クラスメートのブレット・カバノー氏について全国紙でコメントを寄せ、最高裁判所の判事候補者の発言に異議を唱えた。彼はまた、同窓生らに告発を呼びかける嘆願書にも署名した)。

元メンバーの中でただ一人、コレットだけがJawbox解散後にバンド活動を行っていなかった。「ちょっとベースを脇に置きたかった。どんな感じになるか見てみたかったの」。現在メディア専門家として勤務する私立学校の図書館から、電話インタビューに応じてくれた。「でもおかしなもので、身体がちゃんと覚えているのよ。ひとたび身体の動きやカンが戻ってくると、『思っていたよりも全然覚えてるじゃない!』って感じだった。今では20曲も弾けるようになったわ。すごく大変だったけど……仕事から帰って、生徒のことやら何やらでクタクタになって、家では自分の子どもの世話。それでも毎日練習するって決めたの。週末はもっと練習したわ」

「彼女が調子を取り戻すのを見て、個人的にすごくうれしかった」。コレットに関して、ロビンスもこう語った。「ずいぶん長いこと遠ざかっていたからね。でも実際には完全に消えてはいなかった。最初の何回かの練習で、彼女が自信を取り戻しているのが分かったよ。それを目の当たりにしたときは、本当にすごかった」

いまのところ当面のツアー以降のことは何も決まっていないが、バンド曰く、追加公演や今後ライブ活動の可能性も視野にいれていると言う。ニューアルバムの可能性は現在保留中だが、いくつか新曲のアイデアも浮かんでいると言う。「オンライン上のフォルダには、あれこれ新しいフレーズがあるのよ」とコレット。当面の活動が終わった後、本格的に再結成ということになれば、曲作りは不可欠になるだろう、とも言った。「新曲なしでやっていけるかどうか、微妙だからね」と本人。「だって、どうせやるなら今の時代にあったものにしたいじゃない? 再結成一辺倒っていうんじゃなくて」

バロカスもこの意見に賛成だ。「単なる復活公演では終わらせたくない。僕たちはかなりプライドの高いバンドだった。いまさら変に妥協するようなことはしたくない」

当面、バンドは目の前の目標に集中し、来るライブに向けて『Sweetheart』『Jawbox』の膨大な楽曲の練習に余念がない。ライブではその他過去の楽曲もいくつか加わる予定だ。特にロビンスは、『Jawbox』のシンボル的な曲ともいえる「Desert Sea」や、『Novelty』の代表作「Static」のニューアレンジにノリ気だ。「ライブをやり通せれば、ツアーもやり通せる。新曲をやりたくなったら、きっとできるさ。すべて自分たち次第だよ」とバロカス。「どんな方向にも向かっていく準備はできている」

ここまでのリハーサルが順調に進んでいることを踏まえると、Jawboxの再結成はすでに成功したも同然。「最初にビルと演奏したとき、最初はちょっと不思議な気分だったけど、突然そうじゃなくなった」とバロカス。「たぶん不思議な気分になったのは、あいつが髭を生やしてるからだね。顔を見ると一瞬戸惑ったよ。キムの場合も同じで、いったん演奏すれば後は順調。ここまでくるのは大変だった。俺たちの誰もがヘマしたくない、足を引っ張りたくないって気持ちだったからね。いまのところ、そういう心配は全くないよ」

Translated by Akiko Kato

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